ちばえこ日和

日本初の博士(公共学)という学位を持つ大学発ベンチャー「千葉エコ・エネルギー株式会社」の代表が、自然エネルギーのことから地域活性化まで様々な話題をお届けします。

ソーラーシェアリング:冬の匝瑳1号機の様子 - 緑肥として麦を生やしています

節分も過ぎ、春一番も吹いていよいよ新しい季節の訪れを感じる今日この頃、昨年春に運転を開始した"匝瑳飯塚 Sola Share 1号機"も間もなく1年を迎えようとしています。

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発電所の完成以降、非常に多くの方々が見学に訪れ、1月には農林水産省の事例集に取り上げていただきました。

今は季節的には農閑期ですが、この冬は晴れが多く発電も好調な中、設備の下では緑肥として麦を育てています。

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茶色い地面にうっすらと緑色の麦が生えている・・・のが分かります。

写真の奥の方には1月に完工した2号機が見えています。

これを撮ったのは13時頃ですが、冬は影が伸びるので遮光率は50%に近い状態でしょうか。ちょうどパネルの影と日差しが当たっている部分が半々くらいです。

春には麦が一気に成長し始め、それを緑肥としてすき込んだ後にはまた大豆播種の季節がやってきます。

再エネ業界ニュース:三重県が太陽光発電設備を景観計画に位置づけ - 新たな届出対象に

太陽光発電設備に対する景観規制が各地で少しずつ進む中、新たに三重県が景観計画に基づく届出制度の対象に太陽光発電を加えました。

平成29年4月1日以降に着手する設備が対象になるということです。

www.pref.mie.lg.jp

今回の景観計画変更により、対象となる太陽光発電設備については以下のように定義されています。

 【届出対象行為】

太陽光発電施設(同一敷地、一団の土地若しくは同一水面に設置するもの又は建築物と一体となって設置されるもの。)」の新設、増築、改築若しくは移転、外観を変更することとなる修繕若しくは模様替又は色彩の変更

【届出対象規模】
「高さ 13mを超えるもの(建築物と一体となって設置されるものにあっては、建築物上端から当該太陽光発電施設の上端までの高さが 5mを超え、かつ、地盤面から当該太陽光発電施設の上端までの高さが 13mを超えるもの)又は太陽電池モジュール(太陽光パネル)の合計面積が 1,000 ㎡を超えるもの」

※ただし、「熊野川流域景観計画」の区域においては、規模に関わらず届出が必要

太陽光パネルの合計面積が1,000㎡とありますが、野立てで主流となりつつある72セルの結晶系モジュールが約2㎡/枚なので、パネル出力160kW程度の太陽光発電から今回の届出対象規模になることになります。

今回の対象拡大によって太陽光発電施設の設置に関する景観形成ガイドラインが策定され、太陽光パネルを含む設備の色彩や素材、設備の配置や緑化、維持管理について定めていますが、その中身はなかなかにこだわった内容です。

一部を下記に引用します。

 (1) 色彩、素材
太陽電池モジュール(太陽光パネル)の色彩は、周囲の景観と調和した色彩(建築物の屋根等に設置する場合は、屋根等と一体的に見える色彩)とし、低明度かつ低彩度で目立たないものとするとともに、原則として、黒、ダークグレー又はダークブラウンの中から選択すること。
太陽電池モジュールは、低反射(反射光を抑える処置がなされたもの)で、文字や絵、図等が描かれていないなど、模様が目立たないものを使用すること。
③ フレームや架台の色彩は、太陽電池モジュールと同様に、周囲の景観と調和した色彩とすること。
④ パワーコンディショナー、分電盤、フェンス等の附属設備の色彩は、周囲から太陽光発電施設が見えないような措置等を行う場合を除き、ダークブラウン等、周囲の景観と調和した色彩(建築物に設置する場合は、建築物と一体的に見える色彩)とすること。

ということで、太陽光パネルの色彩を黒、ダークグレー又はダークブラウンの中から選択すること(フレームも含む)や、PCS・分電盤・フェンスも周囲の景観と調和した色彩とすること、としています。

低反射・防眩措置の取られた太陽光パネルはありますし、黒っぽい色彩のものもありますが、この「原則」がどこまで適用されるのかは気になる所です。

こういった景観規制の先行事例として千葉県山武市の例がありますが、そちらでも色彩に対する配慮が求められています。

また、ソーラーシェアリングでも農地農村景観との調和が今後の課題です。

規制が増えていくことによってメーカー側の対応も進んで行けば、太陽光発電所のある風景というのもまた変わっていくのかも知れません。

ソーラーシェアリング:徳島県はソーラーシェアリングに厳しい?という話

先週末にソーラーシェアリング事業の現地調査のため、徳島県に行ってきました。

人生初となる四国入りです。

瀬戸内側も太平洋側も日照時間が全国平均より長い四国ですが、ソーラーシェアリングもある程度普及しているという情報は耳にしていました。

今回は、主に山間部での耕作放棄地問題や農業後継者不足にソーラーシェアリングが役立つところがあるのでは?ということで、地元の方の要請を受けての出張です。

徳島県の農業の現状

徳島県の農業センサスによると県内の耕作放棄地面積は4,577haあり、農業後継者の有無で見ると農家17,958戸のうち同居農業後継者がいるのは5,677戸にとどまります。

同居していない農業後継者がいるのは3,888戸であり、合計すると9,565戸(53%)が後継者のいる農家です。市町村別で見ると後継者がいないとする農家が60%を超える地域も複数あるほか、農業就業人口の平均年齢は66.8歳となっていて、7つの自治体では70歳を超えている状況にあります。

この平均年齢の高さは全国的な傾向ですが、徳島県も例に漏れていません。

ソーラーシェアリングが厳しい?

さて、そんな徳島県下で「ソーラーシェアリングが厳しい」とされる理由を探ってみると、やはり営農の安定的な継続が図られていないような事業が複数あるようです。

発電設備に背が高いだけの野立て架台を採用していたり、栽培する作物と遮光率のバランスが考慮されておらず、結果として作物の収穫量や品質に悪影響を与えてしまっている事例があり、それを受けて一時転用許可の許可権者である県が厳しく審査をしていると見られます。

まだ一度訪れただけですので、引き続き現地に足を運んで現状の把握に努め、詳しい状況が分かれば改めて情報を整理していきます。

ソーラーシェアリング:民進党エネルギー調査会でソーラーシェアリングについて議論してきました

ソーラーシェアリング界隈が大きな盛り上がりを見せる今日この頃ですが、昨日は民進党のエネルギー環境調査会に招かれてソーラーシェアリングに関する農林水産省を交えた議論に参加してきました。

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人生何回目かの衆議院第二議員会館ですが、今回は初めて地下の会議室に入りました。

通常国会の会期中ということもあり、蓮舫代表や菅元総理を始めとして多くの民進党議員が参加する会合でした。(下記の写真の真ん中でマイクを握っているのが私です)

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農林水産省に事前送付していた質問内容への回答を受けながら、ソーラーシェアリングの普及に対する方針や本省で把握している各都道府県の状況、現在の制度運用における課題などについて議論を重ねました。

最大の関心事となったのは、やはり一時転用許可の期間や許可基準についての話で、特に設備の設置が作物の栽培に影響がないことを立証するための専門家による意見書取得は大きなハードルとして言及しました。

農水省側の宿題として持ち帰っていただいた事項もある中で、引き続きソーラーシェアリングを良い形で普及させるために、こういった場を活用させていただいて情報交換や制度見直しの提言などを図っていきます。

電力小売自由化:東京電力パワーグリッドが託送料金を誤請求 - 総額900万円を過大請求

電力自由化に絡むトラブルが相次いでいますが、今度は電気の送配電を担う東京電力パワーグリッドが託送料金を誤請求していたと発表しました。

対象は41社・3,145件に上ると言うことです。

www.tepco.co.jp

託送料金とは、発電所から家庭やオフィス・工場などの需要場所まで電気を届けるに当たって、送電線を使用するための料金のことです。

東京電力パワーグリッドは、大きく4つの事例で誤請求が発生したとしています。

  1. 電気の使用停止について託送業務システムへの反映漏れ
  2. 契約容量の変更について託送業務システムへの反映漏れ
  3. 自由化メニュー・経過措置メニューの託送料金二重請求
  4. 申込み内容の入力遅延や誤入力により、託送料金を誤請求

いずれも託送業務を管理するシステムへのデータ入力の誤りが原因とみられ、東京電力パワーグリッドは

作業手順の未整備・未定着や要員不足による、当社託送業務システム※への反映処理遅れや誤り

が原因であったとしています。

誤請求については随時返金をしていくとのことですが、先日取り上げたエリアインバランスの問題を含めて制度の移行に伴うトラブルはまだまだ発生していきそうです。

電力小売自由化:電力広域的運営推進機関(OCCTO)が年次報告書を公開 - 電力需給実績や系統情報など

電力広域的運営推進機関(広域機関/OCCTO)が、平成28年度版の年次報告書を公開しました。

年次報告書(平成28年度版)の公表について|広域機関とは|電力広域的運営推進機関ホームページ

広域機関の役割と年次報告

広域機関は「電気事業の広域的運営の推進」を目的とした組織ですが、24時間体制で全国の電力需給や電力系統の運用状況を監視し、リアルタイムで需給調整の対応を行って電力の安定供給を確保するといった役割を担っています。

その他にも、中長期の各電気事業者による供給計画の取りまとめ、広域連系系統の整備計画策定、電力系統運用ルールの策定なども行っており、この各業務について個別に公表されてきた報告書等を取りまとめたものが今回の年次報告書となっています。

年次報告書の内容

年次報告書の内容は下記の5つの項目にまとめられています。

  1. 電力需給に関する実績
  2. 電力系統に関する状況
  3. 系統アクセス業務に関する実績
  4. 供給計画の取りまとめ結果等に基づく電力需給・電力系統に関する見通し及び課題
  5. 各供給区域の予備力及び調整力の適切な水準等に関する検討状況

この個別の報告内容から、特徴的なデータなどをかいつまんで見ていきます。

1.夏季・冬期最大需要電力の傾向

夏季の電力需要のピークタイムでは、地域毎の特性としては北海道から沖縄まで12時~15時がピークとなる地域が広がる中、四国と九州は17時という傾向があります。

一方で冬期の場合のピークタイムは、北海道・東北・北陸・四国・沖縄が18時~20時で、それ以外の地域は10時~12時となっています。

最大需要電力の全国合計は、夏季が1億6,454万kWで冬期は1億5,185万kWと、夏季の方が多いという傾向が見られます。

2.連系線の利用状況

地域間連系線の利用状況では、下記のような向きで連系線を利用した送電が多い傾向があります。

  • 東北-東京間の東京向き
  • 東京-中部間の東京向き
  • 中部-関西間の中部向き
  • 関西-中国間の関西向き
  • 関西-四国間の関西向き
  • 中国-四国間の中国向き
  • 中国-九週間の中国向き

この電気の流れを見ていくと、九州からどんどん東へ向かって電気が流れていき、東北からも南へ向かって電気が流れて最終的には関東地方に行き着いています。

3.供給計画取りまとめに基づく電力需給の課題

平成28年度の電力供給計画を取りまとめた際に、広域機関として2つの意見を付しています。

1つ目は小売電気事業者が中長期の電気供給力確保を「未定」としており、発電事業者との直接契約ではなく電力市場での取引によってこれを確保するとした場合、安定した電力供給への疑念が生じることになります。

2つ目は石油火力発電所等の経年設備が徐々に廃止される中で、東日本大震災のような事象が再度発生した場合に予備電源の確保が厳しくなることや、東京電力をはじめとする旧一般電気事業者が電力自由化に伴う競争に伴って、現在は維持している非常時の供給力を将来的に維持し続けられなくなるのではないかとしています。

今回の年次報告書から見えてくるもの

つらつらと今回の年次報告書の内容を見てきましたが、従来は知ることが難しかった情報が含まれており、またこれらの数値をより詳細に検証していくことで今後の電力事業を考えていくための一つの基礎資料にはなるのではと思います。

需給調整や地域間連系線の活用拡大は、自然エネルギーの最大限の導入にも繋がる手段となってくるため、個別のデータを分析しつつ講じるべき手段を見出すこともできるでしょう。

一方で、エリアインバランスの問題を始めとして電力小売自由化に伴う混乱として、各電力会社等が取りまとめているデータの不備もあり、今後いかに正しいデータを集めていけるかどうかも重要になっていきます。

電力小売自由化:電力会社で相次ぐエリアインバランス量の誤算定 - 中部電力に続き北海道電力も

2016年4月からの電力小売全面自由化により、北海道から沖縄までの各電力会社が送配電事業者として地域内の電力需給バランスを調整する「エリアインバランス」の算定を始めました。

電力小売全面自由化で発電事業者・小売事業者には「計画値同時同量」の義務が課せられています。これは30分単位での電力需要と発電量を、その1時間前の時点の計画値で一致させるというものです。

この「計画値同時同量」が達成されない場合に、需給の過不足を送配電事業者が調整します。その調整に基づいて、発電事業者・小売事業者と「インバランス料金」を精算するという仕組みになっています。

中部電力による誤算定が発覚

中部電力が、昨年12月にエリアインバランス誤算定を公表し、今年1月4日に経済産業省に対して原因と経緯並びに再発防止策を報告、13日に誤算定によるエリアインバランス量報告値への影響について報告したとしています。

www.chuden.co.jp

時系列でみると、

  • 8月9日に4月分の調整力量の不一致が判明して調査に着手
  • 10月31日にシステムのインバランス算定処理の不具合が判明
  • 12月14日にシステム不備の全容が特定
  • 12月20日に経済産業省へ報告

という流れだとしています。

www.chuden.co.jp

中部電力による再算定の結果、2016年4月から10月までの7ヵ月間に5億5,600万kWhのエリアインバランス量が過剰となっていました。

これは、一般家庭約14万世帯分の年間電力消費量に相当します。

北海道電力による誤算定も明らかに

更に今月に入って、北海道電力もエリアインバランス誤算定を発表しました。

www.hepco.co.jp

時系列でみると、

  • 昨年12月22日に調査を開始
  • 1月10日にインバランスの誤算定が判明
  • 1月12日に経済産業省へ報告

となっており、中部電力の誤算定判明後に調査へと着手したようです。

エリアインバランスの誤算定による影響は、最終的に1月23日に経済産業省へと報告されることになっています。

具体的な数字はこれから明らかになりますが、インバランス料金は全国の電力会社管内におけるエリアインバランスの集計によって決まるため、中部電力及び北海道電力の誤算定によって全国の事業者に対して影響する可能性があります。

電力小売全面自由化に伴うトラブルが相次いでいますが、今回の事件も各方面に大きな影響を与えるものになりそうです。

講演情報:としま再エネ会議の第3回セミナーで講演します - 2/4(土)14時より

昨年に引き続き、豊島区が開催している「としま再エネ会議」の平成28年度第3回セミナーで講演することになりました。

 

誰でもできる太陽光発電~エネルギーを作る暮らしへ|豊島区公式ホームページ

 

今回は、以前から各地で紹介しているナノ発電所を始めとした手軽な太陽光発電のほか、家庭で実践できる省エネルギーの取り組みなどを中心にお話しする予定です。

再生可能エネルギーが徐々に身近なものとなる中で、東京都区部のような都市圏では個人や家庭で取り組めることが少ないのでは?と聞かれることが多いですが、今は生活の中でエネルギーを作り出す方法も多様化してきています。

また、家庭でのエネルギー消費の実態を踏まえた省エネルギーにもフォーカスしていきます。

2/4(土)14時~15時半、会場は豊島区役所会議室で定員は30名(先着)です。

 

皆様のご参加をお待ちしています!

ソーラーシェアリング:自社初の固定式ソーラシェアリングが運転開始! - 匝瑳飯塚 Sola Share 2号機

昨年の秋に着工した、匝瑳市飯塚地区の自社ソーラーシェアリング2号機となる「匝瑳飯塚 Sola Share 2号機」が1月14日に無事通電・系統連系しました。

1号機は一軸追尾型なので、自社設備としては今回が初の固定式となります。

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写真のように、今回の設備の特徴は農地が北東から南西に伸びる長方形で且つ高低差が大きいことから、階段状の架台設計を採用したことです。

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地形傾斜を考慮し、設備下の空間ではトラクタなどが違和感なく作業できるように緩やかな階段状となっています。

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この約1,200㎡の畑も長らく耕作放棄地でしたが、この春から農業法人Three little birds合同会社によって耕作が再開され、農地として蘇ることになります。

飯塚地区内ではメガソーラー級のソーラーシェリング設備ほか、多数の低圧規模の発電所建設も進んでいます。

そんな今年のソーラシェアリング完成ラッシュの第1号が、この匝瑳飯塚 Sola Share 2号機です。

【資源エネルギー政策】経済産業省がディマンドリスポンスハンドブックを公開 - ネガワット取引の拡大を狙う?

ここ数年話題のディマンドリスポンス(ネガワット取引)ですが、年末に経済産業省がハンドブックを作成・公表しました。

www.meti.go.jp

ディマンドリスポンス?

一般的には耳慣れない「ディマンドリスポンス」という単語について、経産省は以下のようにまとめています。

ディマンドリスポンスとは、電気の需要量を制御する取組です。特にアグリゲーターを介して需要抑制量(ネガワット)を取引するネガワット取引は、平成29年4月のネガワット取引市場創設などにより、今後の普及が期待されています。

従来から取り組まれてきた「省エネ」とは異なり、ディマンドリスポンス(DR)は需要ピーク時に需要量を抑制(下げDR)し、抑制したことによって需要家側に報酬が支払われます。

逆に、供給超過分を吸収する(上げDR)ような場合もありますが、今回のハンドブックでは主に下げDRが対象になっています。

ちなみに、経済産業省は以前「デマンドレスポンス」と表記していました。

ディマンドリスポンスは、なぜ必要?

上記経産省ページでは、下記のようにハンドブック作成の理由をまとめています。

 ディマンドリスポンス(ネガワット取引)の実施にあたっては、実際に需要量の制御を行う電気の需要家の方のご協力が必要不可欠となります。そこで、主に需要家の方向けに、ディマンドリスポンス(ネガワット取引)の概要及び参加方法などをまとめたハンドブックを作成いたしました。

各電力会社を中心に、電気事業者は日々の電力需給を予測して供給量調整を図っているわけですが、下げDRによって需要側の調整を行うことが出来れば、発電設備に対する供給予備力確保のための投資を抑制することが可能になります。

DRの結果として供給側が追加コストを負担して電力供給を行う必要がなくなるため、その差額から需要家に対して報酬が支払われます。

一方で、太陽光発電の増加によって日中の電力供給が過剰になり、発電設備の出力を抑制する必要性が出始めていますが、そのタイミングで上げDRを行うことにより供給過剰分を吸収することも出来ます。

この上げDRが蓄電池による蓄電という形で実施されれば、大きな無駄なくエネルギーの需給バランス調整が可能になるわけです。

 

電力小売自由化によってエネルギー取引のマーケットが拡大する中、新たに誕生するディマンドリスポンス取引が市場として成り立っていくのかはまだまだ未知数ですが、エネルギーを使う側へのアプローチとして取り組まれていくことが期待されます。