ソーラーシェアリング:アースデイ東京2017を振り返る - ソーラーシェアリング・ブース出展しましたレポート
GW前の4/22~23にかけて代々木公園で開催された『アースデイ東京2017』で、城南信用金庫の協賛をいただきソーラーシェアリングの特別展示ブースを設けました。
1日目は曇天でしたが2日目は快晴に恵まれ、代々木公園の渋谷区役所側入り口からすぐという好立地もあって多くの方に立ち寄っていただけたので、当日の様子を簡単にレポートします。
①スマートターンによるソーラーシェアリングの実機展示(1.05kW)
発電した電気は後方にあるステージの電源として2日間活用しました。
②ブース全景
渋谷区役所側から入ると、この様な形でソーラーシェアリング設備+テントという陣容でお出迎え。
③城南信用金庫の吉原相談役と
今回の企画展示を全面バックアップしていただいた、城南信用金庫の吉原相談役とツーショット。この後に、メインステージ&トークテントでソーラーシェアリングについてお話ししました。
④メインステージでのトーク
イベント会場内のメインステージで、吉原相談役、匝瑳メガのモジュールサプライヤーであるWWB社の龍社長と共に、ソーラーシェアリングの紹介トーク。
ここから『100億円のソーラーシェアリングプロジェクト』がスタートします。
⑤トークテントでのトークセッション
場所を移して、会場内トークテントにてソーラーシェアリングの普及と社会的インパクトに関するトークセッションです。
非常に多くの方に関心を持っていただき、後半にはテントの周囲に多くの立ち見が出るほどの大盛況でした!
『100億円のソーラーシェアリングプロジェクト』
今回のアースデイ東京へのブース出展では、匝瑳メガソーラーシェアリングの完工という大きなトピックのPRの他に、これを契機とした『100億円のソーラーシェアリングプロジェクト』のキックオフを宣言するというのも大きな目的の一つでした。
果たして何が100億円なのか?はまだ秘密ですが、これから更にソーラーシェアリングを普及させていくための取り組みとして一気に新しい仕掛けを進めていきますので、また詳細は逐次お知らせしていきます。
系統運用:GW中に出力抑制(出力制御)は実施されるか? - 九州電力や四国電力管内での実施懸念
晴天の続くゴールデンウィークとなれば、多くの人々が行楽に出かけ各地が賑わうという明るいイメージですが、太陽光発電事業者にとっては『出力抑制(出力制御)』の単語が脳裏から離れないシーズンでもあります。
4月から5月にかけては日照時間が長くなり、晴れ間も続くことで1年の中でも最も太陽光発電の設備利用率が高くなる一方で、過ごしやすい気候で空調などのエネルギー需要は減り、連休ともなればオフィス需要の減少などで需要低下が更に大きくなります。
昨年末に以下の記事で触れましたが、 四国電力が平成29年のGWを例にとって太陽光発電の電力供給量が電力需要量の85%に達するという資料を公開していました。
国内では、一昨年の5月5日に九州電力が種子島で国内初となる出力抑制を行っています。その後も離島部で出力抑制が続いており、今年もGW前半の4月29日には6,310kW、4月30日には8,904kWの設備に対して出力抑制指令が出されています。
上で四国電力の例を挙げましたが、現在最も懸念されているのは太陽光発電の急速な導入が続く九州本土での抑制実施です。
調整電源が乏しく地域間連系もされていな離島では、あっさりと太陽光や風力発電設備の出力抑制に至りますが、揚水発電所や地域間連系線による調整が可能な九州本土で優先給電順位が5番目となる太陽光・風力にまで出力抑制が果たして容易に至るのかどうか。
実施されれば広域機関(OCCTO)による検証を含めて大きな議論が巻き起こることは間違いなく、電力会社も慎重にならざるを得ないという指摘もある中で、「いつかは起きる」ことも間違いない出力抑制の実施がいつになるのか固唾を呑んで見守る日々が続きます。
地方創生:秋田県の人口が100万人割れ 87年ぶりに90万人台に - 進む社会減
ここ数年、国内の全都道府県中で最も人口減少率が大きかった秋田県の人口が、4月1日時点でついに100万人を割り99万9636人になったと県が発表しました。
魁新報の報道によると
3月の1カ月間で死亡者数が出生者数を上回る自然減が925人、社会減が3749人だった
という結果となっており、出生数を死亡数が上回る自然減よりも、人の移動による社会減の方が大きい状況です。
私自身も秋田へ足を運ぶようになってから4年が経ちますが、秋田市の中心街であっても少しずつ寂れていく様子が肌感覚として感じられるようになり、また周囲でも秋田出身の若者が首都圏に出てきてそのまま戻ることなく居着いていく姿を目にしています。
今年、秋田で自然エネルギーJVを設立して営農型発電を軸とした自然エネルギー拡大と農業振興を目指した取り組みを進めようとしていますが、地元人材の不足には頭を悩ませているところです。
「仕事」だけがあっても人を留めることが出来ず、そこには人間関係を中心とした「コミュニティ」の存在も必要となります。人口の流出によってその「コミュニティ」が崩壊していく中で、どのような繋がりを作ることで人を留めることが出来るのか、あるいは新たに外からの人を呼び込むことが出来るのか、考えるべきことは尽きません。
秋田県は、日本の社会問題で10年先を行くと言われていますが、この人口減少問題に対しての解決策を見出すことができるかどうかが、同じ問題を抱えうる全国の地域の先例となっていくように思います。
速報:改正FIT法への移行に伴う認定失効件数は最大で2,766万kW - 資源エネルギー庁の暫定試算
ソーラーシェアリング:春を迎えた匝瑳の様子 - 冬の作物から夏の作物へ
4月になり千葉では春を飛び越して夏の陽気が続き、時には春の嵐が吹き荒れています。
匝瑳では稲作の準備が始まり、あちこちで田植えが進んでいる中、ソーラーシェアリング「匝瑳飯塚 Sola Share 1号機」の下では麦が青々と繁茂して新しい季節の訪れを感じさせてくれています。
ここでは昨年に引き続き、夏は大豆を栽培する予定となっていて、1月に完工した2号機も今年から畑としての農地再生を進め、同様に大豆畑になっていきます。
他にも、飯塚開畑地区内ではこの春までに低圧6基+メガ1基の合計7基のソーラーシェアリングが新たに完工し、約4haの農地で耕作が始まるので賑やかなシーズンを迎えることになるでしょう。
この地域での取り組みに関わるようになって間もなく2年が過ぎようとしていますが、これまで播いてきた種が芽吹いていくように、着実に成果が上がってきています。
講演情報:アースデイ東京でソーラーシェアリングのトークセッションに出演します - 城南信用金庫吉原相談役ほか
今週末、22日・23日に代々木公園で開催される「アースデイ東京」にて、ソーラーシェアリングのトークセッションに出演することになりました。
23日の13時から、会場内トークテントにて城南信用金庫吉原相談役ほかの皆様と“100億円のソーラーシェアリングへ ~ 市民ができるエネルギーシフト ~」”と題してお話をさせていただきます。
その他、『農業と自然エネルギーの融合 - ソーラーシェアリングの紹介』として、千葉エコ・エネルギーでの企画出店も行います。
匝瑳で設置しているソーラーシェアリングのデモ機展示などを予定しています。
アースデイ東京2017 企画・出展者情報 « アースデイ東京/Earth Day Tokyo
週末は好天にも恵まれそうなので、みなさまのご来場をお待ちしております。
太陽光発電事業:新エネルギー小委員会で事後的な「過積載」が問題視 - 売電開始後のパネル増設は規制されるのか?
少し前の話になりますが、総合資源エネルギー調査会の新エネルギー小委員会第17回会合で、太陽光発電設備における「過積載」が取り上げられました。
ここで問題とされたのは発電所設置時の過積載ではなく、運転開始後の「事後的な過積載」です。
過積載とは
モジュールの容量をPCSの容量よりも多く設置する「過積載」という単語が定着して久しいですが、例えば10kWのモジュールから10kWhの発電が行われることは、一年を通じた運転時間の中でも非常に少ないです。
日射量やモジュールの設置角度、気温など様々な要因によって発電量が低下するため、ある程度モジュールの枚数をPCS容量に対して増やしておくことで、設備容量に対する利用率を上げることができます。
過積載の何が問題とされている?
さて、同委員会の議事録も既に公表されていますが、「事後的な過積載に対して認定時点の調達価格が適用されるのは、制度趣旨からして適切ではない」とする意見が多くなっています。
現在の制度では、設備認定時にPCS容量よりもモジュール容量が大きければ、運転開始後に更にモジュールを追加したとしても調達価格は変わりません。
特に調達価格の高い案件で、現在の資材・施工コストが下がった時点でモジュール増設を行えば、発電量が増えて収益が向上するということが謳われています。
調達価格の高い案件の売電量が増えれば、それだけ消費者が負担する再エネ賦課金も増えていくと言うことで、そこが不適切なのでは?というのが委員会での議論です。
今後の議論の経過は?
事後的な過積載を禁止するのではなく、新たに増設された部分にはその時点での調達価格を適用するような形態が模索されているようですが、増設分だけを切り分けるには計量器を別にするなどの対応が必要となり得ます。
増設分は既設分と同じPCSに繋ぎ込まれるのが通常ですから、この部分をどう整理していくかを含めて、今後は過積載の実態を含めた調査・検討が進められることになりそうです。
ソーラーシェアリング:農林水産省が営農型発電に関する事例集を公表 - 匝瑳の事例も掲載
ソーラーシェアリングが広く導入されるきっかけとなった、農林水産省の通達が出されて丸4年が経った先月31日、新たに「営農型発電について」と題した資料が公開されました。
内容としては、ソーラーシェアリングを中心とした営農型発電の制度概要のほか、各地での取組事例がまとめられています。
千葉エコとしてThree little birdsと取り組んでいる匝瑳市飯塚地区の事例も掲載されており、他にも宝塚すみれ発電やいすみ自然エネルギーなど著名な事例が取り上げられています。
本資料では、営農型発電を「農業と発電を両立した取り組み」と明確に定義していますが、最終ページには「営農と発電の両立を図る上で工夫が必要なケース」として、具体的な事例は挙げられていないものの一時転用許可に際して慎重な判断を要する事例を挙げています。
特にケース1については以前から問題になっているもので、「発電事業のためのアリバイ作りとしての農業」とならないように、営農の適切な継続が図られているかを慎重に判断すべき事例です。
匝瑳も含めて各地でソーラーシェアリングに関する調査を農林水産省が行っており、その中でこういった事例が明るみに出ているのでしょう。
ソーラーシェアリングが本格的な普及フェーズに入っていく中で、改めて自然エネルギーと農業が両立される取り組みとして、その意義を問い直していく必要があります。
講演情報:映画「日本と再生」上映会@京橋を開催します
ソーラーシェアリング:匝瑳メガソーラーシェアリング落成式 - 小泉・細川・菅元総理が列席
去る4月3日(月)、匝瑳市飯塚地区にて「匝瑳メガソーラーシェアリング1号機」の落成式を挙行しました。
約1年をかけて事業化に携わってきましたが、無事に竣工・落成しスリムタイプモジュールを使用した日本初のメガソーラーシェアリングとして運転を開始しています。
今回、小泉純一郎、細川護煕、菅直人の歴代総理にご列席いただき、匝瑳市の歴史に残るであろう盛大な会を催すことが出来ました。
来賓各位のご祝辞をいただき、落成記念のくす玉割り、そして集合写真と短い式典ではありましたが、人生で最も濃密な時間であったようにも思います。
ソーラーシェアリング発案者の長島彬先生のほか、SBIエナジーの中塚社長や城南信用金庫の吉原相談役など本事業にご協力いただいた皆様にもお越しいただき、集合写真が何やら凄いことになっています。
式典後には、小泉、細川、菅元総理のお三方に本事業へのコメントをいただき、多くのメディアにも取り上げていただくことが出来ました。
今後、自然エネルギーと農業の新たな取り組みとして、ソーラーシェアリングの普及を更に図っていきます。