ちばえこ日和

日本初の博士(公共学)という学位を持つ大学発ベンチャー「千葉エコ・エネルギー株式会社」の代表が、自然エネルギーのことから地域活性化まで様々な話題をお届けします。

再エネ業界ニュース:2020年にかけての再生可能エネルギー市場規模の動向 - 富士経済が調査レポートを公表

わが国における再生可能エネルギー市場の2020年にかけての動向・推移について、(株)富士経済が「FIT・再生可能エネルギー発電関連システム・サービス市場/参入企業実態調査 2016」とするレポートを取りまとめ、そのサマリーが公開されています。

 

新サービスの開発や海外事例の取り入れなど「ポストFIT」市場への対応が進む再生可能エネルギー発電システムの国内市場を調査(富士経済)

 

市場規模全体としては、下記のように今後5年間で50%程度まで縮小するとしていますが、その大きな要因は太陽光発電システムのマーケット縮小(2020年度は2015年度比で1/3程度)によるものと分析されています。

  • 2016年度:3兆3,065億円
  • 2020年度:1兆7,124億円

また、2016年度から2017年度にかけてはバイオマス発電システムが大きな伸びを見せますが、こちらも2018年度以降は急速に縮小していくという推計です。

これは、バイオマス発電システムの場合は燃料として確保できる資源量にキャップがあるため、今後数年間の計画で経済的に確保できる資源がほぼ囲い込まれてしまう可能性があると推定されます。

大幅な拡大が見込まれるのは洋上を含めた風力発電システムのみで、中小水力発電も2017年度がピークになると推計しています。

本調査には熱利用が含まれていませんが、やはりFIT導入による再生可能エネルギー市場拡大のインパクトは大きく、現在の普及期を経て徐々に定常化していくという流れが最も確実な見通しなのではないかと考えられます。