ちばえこ日和

日本初の博士(公共学)という学位を持つ大学発ベンチャー「千葉エコ・エネルギー株式会社」の代表が、自然エネルギーのことから地域活性化まで様々な話題をお届けします。

「自然エネルギー」と「再生可能エネルギー」

時々講演などで、「自然エネルギー」と「再生可能エネルギー」は意味が違うのか?という質問をいただきます。

私も両方の単語を使いますが、意味としては同一のものとして使っています。どちらも英語で言う"Renewable energy"を指し、自然現象の中で反復して得られるエネルギーというような意味を持っています。

この二つの単語に対してGoogle.co.jpの検索結果(9/7時点)をみると

 自然エネルギー:236万件

 再生可能エネルギー:91.7万件

という検索結果になります。

ただ、検索結果1ページ目を見ると「再生可能エネルギー」は全てのページタイトルが再生可能エネルギーという単語を含んでいるのに対して、「自然エネルギー」だとまずWikipedia再生可能エネルギーの項目がトップに出てきます。

この結果を見ると、「自然エネルギー」の検索結果には再生可能エネルギーがかなり含まれているはずです。逆に、「再生可能エネルギー」の検索結果を10ページ目まで見ても、「自然エネルギー」と標記したページは見当たりません。

 

ほかに用例を比較していくと

・FITは「再生可能エネルギーの固定価格買取制度

NEDOが発行している「NEDO 再生可能エネルギー技術白書

ソフトバンク孫正義氏が設立したのは「自然エネルギー財団

・環境エネルギー政策研究所が発行している「自然エネルギー白書

・「国際再生可能エネルギー機関」(IRENA)

WWFのキャンペーン「自然エネルギーはあてになる!

産総研の「福島再生可能エネルギー研究所

・東京都「再生可能エネルギーの利用推進

・長野県「自然エネルギー/長野県

このように様々なバリエーションがあります。

 

どちらを使うにしても、意味するところは同じです。

国の法律や計画は「再生可能エネルギー」で統一されているので、政府系機関や地方自治体に関係するところはほぼ再生可能エネルギーですが、上記の長野県のように例外もあります。民間団体では比較的「自然エネルギー」が多い印象です。

私は「自然エネルギー」を好んで使いますが、これは「再生可能」という言葉に人工的に戻す・回復させるというようなイメージがあること、自然資源を利用しているのだから自然エネルギーと呼ぼうという考えに基づいています。

もちろん、法律名称や制度など固有名詞化しているものに対しては「再生可能エネルギー」を使います。

 

自然エネルギー」も「再生可能エネルギー」もどちらの表現が正しいと言うことはない単語ですが、使う人のこだわりが見えてくるものだとも思いますので、気にしてみると面白いでしょう。