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ちばえこ日和

日本初の博士(公共学)という学位を持つ大学発ベンチャー「千葉エコ・エネルギー株式会社」の代表が、自然エネルギーのことから地域活性化まで様々な話題をお届けします。

固定価格買取制度:九州電力 保留措置解除後に再生可能エネルギー発電設備からの出力抑制拡大へ

今日のNHKニュースでも取り上げられていましたが、現在固定価格買取制度に基づく再生可能エネルギー発電設備の接続申込み手続を保留している九州電力について、出力抑制措置の拡大が検討されています。

この拡大措置は、既に昨年7月から北海道電力に適用されていますが、送電網に接続された発電設備の容量が一定値を超えてから、新たに接続された発電所事業者に対して、電力需要が供給量を上回る可能性がある場合に従来以上の発電出力の抑制を求めるものです。

固定価格買取制度には、当初から「年間で30日を超えない範囲」の出力抑制が認められています。『電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法施行規則』の第六条に規定がありますが、この出力抑制を承諾しなければ送電網への接続契約が結べないため、全ての再生可能エネルギー発電事業者が適用対象です。

出力抑制が行われる条件として、電力会社管内の電力需要が供給量を上回る可能性があり、

  • 電力会社が保有する発電設備の出力抑制(再エネと原発は除く)
  • 揚水発電所の運転
  • 卸電力市場を通じた取引の実施

上記措置(回避措置)を行っても需給バランスが取れない場合、再生可能エネルギー発電事業者に対する出力抑制が、抑制措置を行う前日までに要請されます。

出力抑制が行われると売電が出来なくなりますから、発電事業者は損害を被ります。ですが、年間30日を超えない範囲であれば電力会社はその補償責任を負いません。出力抑制が年間30日を超えた場合は、電力会社が発電事業者に対して補償金を支払うことになります。

しかし、再生可能エネルギー発電設備が増加し、年間で30日以上の出力抑制を行わなければ新たな発電設備の接続が困難とされる状況が北海道で生じました。このため、経済産業省令の改正により、経済産業大臣が認めた電力会社では年間30日以上の出力抑制でも補償責任を負わないという契約が可能になりました。

北海道電力のケースでは、出力500kW以上の太陽光発電設備に対して、管内の接続量が70万kWを超えてから送電網に接続された設備については、年間30日を超えた出力抑制でも補償が行われません。この出力抑制に対する補償の基準を緩和したことにより、電力会社がより多くの発電設備を送電網に受け入れるようになります。

九州電力の場合も、一定以上の接続量を超えてから送電網に接続される太陽光発電設備に対して、同様の出力抑制措置を前提にした受け入れという条件が示されることになるでしょう。

無補償で出力抑制が行われる範囲が、どこまで拡大されるのかはまだ分かりません。例えば、年間出力抑制日数が2倍の60日まで拡大されれば、発電事業者は最大で年間売電収入が約16.7%減ることになります。90日となれば最大で約24.6%となり、1/4近い損失を見込まなければなりません。

実際に毎年どれだけ出力抑制が行われるかは分かりませんし、買取制度対象期間の事業計画の見通しは非常に立てづらくなってきます。

北海道電力という前例があることから、九州電力も同様の措置が取られることは不可避と思われますので、今後どのような基準が適用されるかに関心が集まります。