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ちばえこ日和

日本初の博士(公共学)という学位を持つ大学発ベンチャー「千葉エコ・エネルギー株式会社」の代表が、自然エネルギーのことから地域活性化まで様々な話題をお届けします。

電力制度改革:電力広域的運営推進機関(広域機関)とは?

九州電力に端を発した、一連の電力会社による再生可能エネルギー発電所の送電網に対する接続申込み保留措置によって、送電網の運用問題というのが一般に認知されるようになりました。

現在は、太陽光発電が急激に増加しているため、昼間だけに再生可能エネルギーの供給量が偏ることで電力の需要と供給のバランスが崩れる懸念があることから、発電所に対する出力抑制などの措置が検討されています。電気というのは、常に需要量と供給量のバランスが取れていなければならないからです。

この問題を解決する手段の一つとして、全国的な電力の需給バランスを調整することで、送電網の効率的な運用を図るという方法があります。例えば、晴れている地域で余剰が発生しそうな太陽光発電の電気を、曇っている地域に供給するといったやり方です。これを実現する組織として、2015年4月から「電力広域的運営推進機関」(広域機関)が業務を開始する予定です。

既に、広域的運営推進機関設立準備組合が今年1月末に発足し、各地域の電力会社のほか資源・エネルギー事業に関わる58社(2014年10月15日時点)が参画して、広域機関の設立準備を進めています。最終的には電力の完全小売自由化が実施される2016年4月から、全国的な送電網の監視・調整システムが稼働することになります。

 

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(出典)経済産業省 総合資源エネルギー調査会 基本政策分科会 電力システム改革小委員会 制度設計ワーキンググループ(第1回)配布資料 5-1より

 

この広域機関は、各地域の電力会社や発電事業者から提出される供給計画を基に、全国レベルでの送電網における需給調整を行い、長期的には各地域間の電力融通に必要な、周波数変換設備や地域間連系線の整備も広域機関を中心に実施されることになります。

また、全ての送電網の情報が集約されることで、これまで再生可能エネルギー発電設備導入に際して発電事業者にとって障壁となっていた、各地域の送電容量に関する情報が公開されるようになるほか、現在は各地域電力会社に申し込んでいる送電網への接続検討なども、広域機関に一元化されることになります。

最終的には発送電分離までを見据えた制度改革ということになりますが、今回の太陽光発電急増に伴う送電網の逼迫問題が顕在化したことで、短期的にも広域機関が担う役割が更に重要なものになったと言えるでしょう。