固定価格買取制度:では、中国電力の送電網接続状況はどうなっているのか?
北陸電力も再生可能エネルギー発電設備の新規設備認定・新規稼働の増加で、送電網への接続申込み保留措置などの実施可能性が現実味を帯びてくる中、中国電力も同様の状況にあることが発表されています。
これで、大消費地を抱える東京電力・中部電力・関西電力を除く7つの電力会社全てで、太陽光発電の急増による管内全域の送電網への接続問題が顕在化しました。
(出典)中国電力株式会社 「再生可能エネルギーの導入状況」10月22日公表 より引用
上のグラフは、中国電力が公表した管内の再生可能エネルギー導入状況です。固定価格買取制度の開始以降、一貫して増え続けてきた再生可能エネルギー発電設備の接続申込量が、今年3月に一段跳ね上がっているのが確認できます。
その結果、9月末時点で433万kWの再生可能エネルギー発電設備(うち375万kWが太陽光)が、送電網への接続済みまたは接続申込み済みとなっています。
(出典)中国電力株式会社 「再生可能エネルギーの導入状況」10月22日公表 より引用
中国電力管内の電力需給バランスを見ると、FITの設備認定総量や接続済み+接続申込済みの再生可能エネルギー発電設備量に対して、年間の電力最小需要期や軽負荷期の電力需要はまだ下回っています。(但し30日以内の出力抑制は考慮)
ただ、上記資料中にもあるように他地域での回答保留措置による事業者の参入増加や、局所的な連系制約の問題が生じてきており、特に瀬戸内地域は日射量も高いことなどから、早晩他の電力会社と同じ状況に陥る可能性は高いでしょう。
九州電力に端を発した「回答保留」という措置が、同様の措置を取る可能性のある全ての電力会社に波及しつつある今、資源エネルギー庁の系統WGにおける議論の重要性というのは更に増してくることになります。
本当に有効な対策が打たれるのかどうか、年内に発表されるという「一定の方向性」がどのような内容になるのか、引き続きウォッチしていきます。