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ちばえこ日和

日本初の博士(公共学)という学位を持つ大学発ベンチャー「千葉エコ・エネルギー株式会社」の代表が、自然エネルギーのことから地域活性化まで様々な話題をお届けします。

固定価格買取制度:経済産業省「再生可能エネルギーの最大限導入に向けた固定価格買取制度の運用見直し等について」

ついに18日付で、経済産業省固定価格買取制度の運用見直し案を公表しました。


「再生可能エネルギーの最大限導入に向けた固定価格買取制度の運用見直し等について」をとりまとめました(METI/経済産業省)

系統WGの議論を追っている間に、本日開催された新エネルギー小委員会第8回を経て、膨大な運用見直し案が取りまとめられました。

今後速やかにパブリックコメントを開始し、なんと来年1月中旬には一部の見直し内容が施行されます。

今回の運用見直し案を大きく分けると

  1. 出力抑制の運用見直し
  2. 指定電気事業者制度の拡大
  3. 太陽光発電以外の出力抑制ルールの見直し
  4. 接続保留を受けた各電力会社の対応
  5. 福島に対する特別な対応
  6. 今後の導入拡大策

以上のように分けられています。

長文になりますが、主立った項目を見ていきます。

 

① 出力抑制の対象範囲見直し(来年1月中旬から施行)

 太陽光発電風力発電の出力抑制対象が、500kW未満の発電設備にも拡大されます。住宅用太陽光発電も例外ではありません。

② 出力抑制「30日ルール」の見直し(来年1月中旬から施行)

 現在、1日単位の制御を前提とした年間30日以内の出力抑制が、太陽光発電は年間360時間以内、風力発電は年間720時間以内となります。

③遠隔出力制御システムの導入義務づけ(来年1月中旬から施行)

 遠隔制御用のパワーコンディショナーの開発を進め、上記の出力抑制対象事業者は設置を義務づけられます。

④指定電気事業者制度の活用

 既に北海道電力で導入されている仕組みです。電力会社管内で再生可能エネルギー発電設備の接続申込み量が、接続可能量を上回った場合、年間30日を超える無補償の出力抑制を受け入れることを条件に、系統連系を可能とします。

 12月22日付で、東北電力北陸電力中国電力四国電力九州電力沖縄電力の6社がこの「指定電気事業者」に指定されることになっています。

地熱発電水力発電の例外措置

 地熱発電水力発電は出力抑制の対象とせず、原則送電網に受け入れられます。

⑥将来的に接続可能枠が拡大した場合の対応

 接続契約の解除や地域間連系線の活用により接続可能枠が拡大した場合は、地熱発電や小水力発電等を円滑に受け入れることとします。

⑦接続申込みに対して回答保留を行っている5社の保留措置解除後の対応

 太陽光発電については、接続可能量を超過した場合に指定電気事業者制度の下で接続することになります。(出力抑制範囲の大幅な拡大)

⑧系統WGに参加していない3社(東電・中電・関電)の対応

 太陽光発電については、新たな出力制御ルールの施行前申込案件については、現行ルールの下で接続を行います。新たな出力制御ルールの施行後申込案件については、新たな出力制御ルールの下で接続を行います。

⑨福島に対する特別な対応

 東京電力の設備増強により、福島復興に寄与する再生可能エネルギー発電事業者の接続を可能とするスキームを福島県と構築します

 福島県の避難解除区域等においては、再生可能エネルギー発電事業に対して特に手厚く支援を行います。避難解除区域等の復興に資する発電事業に、優先的な接続枠の確保を図ります。

⑩更なる系統の活用・増強

 広域的な系統利用を可能とするシステムを構築し、地域内系統や地域間連系線の増強方針等についても検討していくこととします。

⑪上位系統増強時の費用負担方法

 ローカルな上位系統の制約がある場合への対応として、東京電力群馬県北部で実施した入札募集方式を全国へ展開します。

 

更に、固定価格買取制度の運用見直し方針として

  1. 太陽光発電の調達価格の決定時期を「接続申込時」から「接続契約時」に変更する。
  2. 運転開始前の「発電出力増加」と「太陽電池の基本仕様の変更」は変更認定を受けるよう求め、その「変更認定時」の調達価格に変更する。
  3. 運転開始後の「発電出力増加」は、増加部分を別設備として新たに認定し、その時点の調達価格を適用する。
  4. 電力会社との接続契約の締結後1ヵ月以内に接続工事費用が支払われない場合、また契約上の予定日までに運転開始しない場合は、接続枠を解除できることとする。
  5. 太陽光発電等の立地に関する地域トラブル防止のため、認定時に関係法令の手続情報について提出を求め、その情報を地方自治体に提供する。

このような運用の見直しが行われる予定です。

 

これからパブリックコメントにこれらの運用変更案がかけられることになりますが、率直な印象として発電事業者に対する規制ばかりが強化され、電力会社に対して接続可能量の増加に必要な措置を徹底的に取るような内容になっていないことに違和感を感じます。

既に来年1月中旬から一部措置の実施が決まっており、パブリックコメントがどれだけ経産省の政策決定に影響を与えられるかはわかりませんが、私も意見を提出することにしています。

上記の各措置の詳細については、後日解説していきます。