ちばえこ日和

日本初の博士(公共学)という学位を持つ大学発ベンチャー「千葉エコ・エネルギー株式会社」の代表が、自然エネルギーのことから地域活性化まで様々な話題をお届けします。

固定価格買取制度:平成27年度の買取価格に関する議論がスタート(速報)

平成27年度の固定価格買取制度に基づく再生可能エネルギー電気の調達価格について議論する、調達価格等算定委員会の第16回会合が15日に開催されました。

これによって、来年度の調達価格が本格的に検討されていくことになります。


調達価格等算定委員会(第16回)‐配布資料(METI/経済産業省)

 

今回の配付資料は毎度のように一年間の集大成となるボリュームなので、まずは要点だけを拾っていきます。

まず現在の再生可能エネルギーの導入状況を見ていくと、相変わらず非住宅用太陽光発電が導入量も認定量も突出しています。

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(出所)経済産業省 調達価格等算定委員会 第16回会合配付資料

風力発電バイオマス発電の認定量も増えつつはありますが、稼働まで2~3年以上を要することが多く導入にまで至っているのは10%未満です。

増加し続ける非住宅用太陽光発電のシステム費用をざっと見てみましょう。

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(出所)経済産業省 調達価格等算定委員会 第16回会合配付資料

平成25年末と比べると全体的にシステム費用は低下していますが、平成26年4-6月期を底に上昇に転じています。価格上昇の一つの理由としては、為替の影響があると考えられます。4-6月期は102~103円/ドルでしたが、10-12月期は110円台後半~120円で推移しました。

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(出所)経済産業省 調達価格等算定委員会 第16回会合配付資料

固定価格買取制度は一定の収益性を担保することで再生可能エネルギー発電の導入を促進することが目的ですが、実際にどの程度導入が進んだのかを見ると太陽光発電以外は顕著な伸びが見られていません。

一方で、制度導入から3年間はいわゆる「プレミアム」が買取価格に上乗せされ、特に収益性が高くなるように設計されています。

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(出所)経済産業省 調達価格等算定委員会 第16回会合配付資料

そのプレミアムの影響は太陽光発電で大いに発揮されましたが、その他のエネルギーでは顕著な効果が出ていないことから、上記のような「導入状況プレミアム」という概念が検討されることになりました。

非住宅用太陽光発電制度導入から3年が経過する平成27年6月末までプレミアム価格を上乗せし、同7月にはプレミアム部分が廃止されます。

その他のエネルギーについては、導入が十分に加速されていないことから引き続きプレミアム部分の上乗せを続け、導入状況を見て終了期限を見極めるとしています。

 

ここまでが、ざっと今回の委員会資料の概要です。

新規導入が急増した非住宅用太陽光発電は、6月末で当初計画通りにプレミアム価格を廃止し、それ以外については従来通り買取価格に変更なしということになりそうです。

次回は各エネルギーについてもう少し詳細に見ていきます。