固定価格買取制度:制度導入から2年半で太陽光発電はどう増えたのか
2012年7月の固定価格買取制度導入から2年半、国内の再生可能エネルギー発電を取り巻く状況は「太陽光バブル」という言葉に表されるような太陽光発電の急増と、それに対する様々な制度運用見直し・規制強化といった流れが目立ってきました。
太陽光発電は設備認定の認定件数ばかりが増え、実際の稼働が進まないという話もありますが、この印象を強くさせてしまったのは2013年度末の調達価格36円に対する駆け込み申請の積み上がりにあります。
これはまさに「駆け込み」なので、設備認定の本来の趣旨である「全ての事業計画が整った上での認定申請」ではなく、とりあえず出しておく性質もの=まだ机上にも載らないような計画が非常に多かったと見られます。
詳細な設備認定データが経済産業省から公表されている2013年9月末時点と、2014年9月末時点のデータを比較してみると
このように、導入件数でみると1年前の認定件数を上回っていることが分かります。
10kW~50kW未満の太陽光発電設備でも、
- 設備設計:1ヵ月
- 設備認定:1ヵ月
- 電力会社との協議:2~3ヵ月以上
- 資材手配:1~2ヵ月
- 本体工事:2週間程度
というように早くても半年程度の時間を要しますから、このリードタイムを勘案すると、2013年から2014年にかけては順調に新規導入が進んできていると考えられます。
新規稼働率が少ないといわれるのは、平成25年12月~平成26年5月の半年間に積み上がった40万件の新規認定によって認定の母数が膨れあがったことが大きな要因です。
現在、九州電力を始めとする電力各社の接続申込みに対する回答保留措置の解除を受けた事業実施継続の意思確認や、経済産業省による設備認定案件に対する聴聞が行われています。これにより、事業化される・されない認定案件の整理が進むことになるでしょう。
来年度にかけてこのあたりの数値が出てくることで、より実態を反映した数値になってくることが予想されます。