ちばえこ日和

日本初の博士(公共学)という学位を持つ大学発ベンチャー「千葉エコ・エネルギー株式会社」の代表が、自然エネルギーのことから地域活性化まで様々な話題をお届けします。

O&M 維持管理:太陽光発電所と停電と遠隔監視(モニタリングシステム)

各地で太陽光発電所が稼働する中で、送電網の停電などによる発電所の停止トラブルが増えてきています。

太陽光発電所のパワーコンディショナー(PCS)は系統側の停電を検知すると自動的に送電が停止されますが、連系している電圧や設備によってその後の復旧方法が異なります。

家庭用を含む低圧連系(出力50kW未満)の場合は、復電後の系統連系操作が発電者の自主操作(電力会社への連絡は不要)となるため、停電後に系統からの再送電が始まるとPCSの自動復旧機能により供給を再開する場合が多いです。

一方で出力50kW以上の高圧連系の場合は、原則として停電から復電した後に発電者が電力会社へ連絡し協議の上でPCSを復旧させます。自動復旧機能の使用は認められていないため、発電所電気主任技術者を派遣して安全確認を行い手動復旧させることになります。(事前の個別協議により自主操作となる場合もあります)

この場合、モニタリングシステムなどで発電所の停止に気づかないと、手動復旧までの時間が空いてしまい売電機会の損失が大きくなることがあります。

※上記は東京電力の場合です。電力会社によって約款の内容が異なる場合があります。

 

と、こんなことを書いたのは昨日栃木県北部で停電があり、いくつかの発電所の停止アラートが実際にモニタリングシステムから発報されたからです。

電力会社は「停電しました」とは教えてくれず、小規模な停電はニュースにもなりにくいので、遠隔監視で確認していなければ見落としてしまうこともあります。

改めて、日々の発電所管理の大切さを再確認した次第です。