ちばえこ日和

日本初の博士(公共学)という学位を持つ大学発ベンチャー「千葉エコ・エネルギー株式会社」の代表が、自然エネルギーのことから地域活性化まで様々な話題をお届けします。

固定価格買取制度:九州電力が種子島で出力抑制(出力制御)の実施を通告

昨年来、太陽光発電事業者にとって悩みの種となっている出力抑制(出力制御)問題ですが、ついに九州電力種子島での全国初となる出力抑制実施を発表しました。

 

九州電力 離島(種子島)における再生可能エネルギー発電設備の出力制御について


ゴールデンウィークの時期は日射量と気温の関係から、国内の多くの地域では太陽光発電設備の発電量が年間のピークに達する一方、連休になって企業活動が低下することで電力需要は減少します。

種子島では、既に系統連系している太陽光発電設備の容量が接続可能量を大幅に上回っているため、火力発電所の出力を最低まで落としても晴天日の日中には電力供給が需要を超過する可能性が高いと予測されています。

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(出所)九州電力発表資料より

今回抑制対象となるのは、高圧連系している7基の太陽光発電所と1基の風力発電所ということなので、太陽光/風力の両方の出力抑制に対する実証データが得られることになります。

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(出所)九州電力発表資料より

実施方法も公表されており、

  1. 前日10時頃に九州電力が翌日の気象データを受信
  2. 翌日の需要想定を行って出力抑制の実施を判断
  3. 実施する場合には17時頃までに発電事業者へ電話等で連絡
  4. 発電事業者は翌日9時~16時まで発電を停止させる

といった流れになります。

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(出所)九州電力発表資料より

どの発電所が出力抑制の対象になるのかは前日まで分からないようなので、発電所を保有している各事業者はゴールデンウィーク中も駆けつけ体制を整えておかねばならず、今後出力抑制が本格化すれば管理委託を受けるOM事業者も大忙しになるでしょう。

このゴールデンウィークは、種子島に熱い視線が(色々な意味で)注がれそうです。