自然エネルギー政策:環境省が自然公園法施行規則を一部改正 国立・国定公園の特別地域での太陽光発電許可基準
環境省が、国立・国定公園内の特別地域における太陽光発電施設の建設について、許可基準を定めた自然公園法施行規則の改正を公布しました。
今回の改正は6月1日から施行されます。
【特別地域内の行為の許可基準】
まず、以下が大前提となります。
- 太陽光発電施設の色彩及び形態が周辺の風致又は景観と著しく不調和でないこと
そして、次に掲げる地域内において行われるものではないこととされます。
- 特別保護地区、第一種特別地域又は海域公園地区
- 第二種特別地域又は第三種特別地域で、植生の復元が困難な地域等であるもの
- 太陽光発電施設が主要な展望地から展望する場合の著しい妨げにならないもの
- 太陽光発電施設が山稜線を分断する等眺望の対象に著しい支障を及ぼすものでないこと
ですが、設置地域における例外として
については、上記の規定に限らず認められることがあります。
具体的な太陽光発電施設の構造に関する規定としては
- 水平投影外周線で囲まれる土地の勾配が30%を超えないものであること
- 地上部分の水平投影外周線が、公園事業道路等の路肩から20m以上、それ以外の道路の路肩から5m以上離れていること
- 地上部分の水平投影外周線が、敷地境界線から5m以上離れていること
- 自然葬木、低木林地、採草放牧地又は高木の生育が困難な地域において行われるものではないこと
- 支障木の伐採が僅少であること
とされています。
その他の規制項目として
- 太陽光発電施設の撤去に関する計画が定められていること
- 撤去した後に跡地の整理を適切に行うこととされているもの
- 土地の形状を変更する規模が最小限であると認められること
- 野生動植物の生息や生育上その他の風致又は景観の維持上重大な支障を及ぼすおそれがないこと
- 当該行為による土砂及び濁水の流出のおそれがないこと
以上の条件を満たすことが必要です。
【普通地域内の行為の届出基準】
また、普通地域では「同一敷地内の地上部分の水平投影面積の和が1,000平方メートルを超えるもの」について、届出が必要な工作物としています。
こちらの規則は8月から着手する行為に対して適用されます。
対象地域が国立・国定公園内ですから、当然に自然景観や動植物の保全を重視した規制となっており、実際にこれだけの設備が設置されることはそれほど多くないように思います。
一方で、このような国の指針が示されることで、今後の各自治体における景観規制の際の参考にされることが考えられます。