ちばえこ日和

日本初の博士(公共学)という学位を持つ大学発ベンチャー「千葉エコ・エネルギー株式会社」の代表が、自然エネルギーのことから地域活性化まで様々な話題をお届けします。

電力自由化:小売全面自由化後の固定価格買取制度 誰が電気の買い入れ義務を負うのか?

来年度に迫る電力小売全面自由化の中で、固定価格買取制度(FIT)の運用が変わる部分があります。それが「買取義務者」の変更です。

7月7日に開かれた新エネルギー小委員会買取制度運用ワーキンググループで、これについて議論が行われています。

www.meti.go.jp

来年4月以降、電気事業発電・送配電・小売の各事業に分かれていきます。

現在の固定価格買取制度では、発電事業者からの電気の買取義務を負うのは

  1. 一般電気事業者(東京電力など)
  2. 特定電気事業
  3. 新電力(いわゆるPPS)

以上三者です。

この買取義務者が、小売全面自由化によって「小売電気事業者」へと変わります。

そして、送配電網への接続は「送配電事業者」との契約になるので、発事業者から見て接続契約と特定契約の主体が分離することになります。

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そのまま制度を移行すると、地域の小さな小売電気事業者から一般電気事業者の小売部門まで、全ての事業者が同じ土俵で再生可能エネルギー発電設備の特定契約への応諾義務を負うことになります。

小売電気事業者としては自社の需要家規模との調整が必要になる一方で、応諾義務により需要を超過するような買取をしなければならなくなる可能性もあります。

これについては、例外規程を設けるかどうかを今後ワーキンググループ内で議論していくようです。

出力抑制(出力制御)も、送配電と小売部門が分離する中でどのように調整していくのかが検討対象になるので、今後の議論経過に注目していきます。