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ちばえこ日和

日本初の博士(公共学)という学位を持つ大学発ベンチャー「千葉エコ・エネルギー株式会社」の代表が、自然エネルギーのことから地域活性化まで様々な話題をお届けします。

資源エネルギー政策:農山漁村再生可能エネルギー法と自然エネルギー発電事業

固定価格買取制度(FIT)の導入から丸3年が経過し、多くの自然エネルギー事業が各地で立ち上がって来ていますが、それを地域活性化とどのように結びつけていくかが一つの課題になりつつあります。

霞ヶ関でもあれこれと政策が練られていますが、そのうちの一つが農林水産省が所管する農山漁村再生可能エネルギー法です。

 

農林水産省/農林漁業の健全な発展と調和のとれた再生可能エネルギー電気の発電の促進に関する法律(農山漁村再生可能エネルギー法)

 

地方自治体が農山漁村の活性化に資するような自然エネルギー計画を作ろう!そして地元で事業化していこう!というような要旨の制度なのですが、昨年5月に施行されて1年以上が経つものの、あまり活用されているという話を聞きません。

中身を吟味すると、どうも荒廃農地などを利用した太陽光発電事業を念頭に置いていることが伺えまず。

しかし、タイミングが悪いことに九電ショックを始めとする系統制約や、調達価格の段階的値下げの煽りを受け、この制度を使ってまで太陽光発電事業を・・・ということにはならない状況になってしまったと言えるでしょう。

立法過程ではソーラーシェアリングの普及も意識していたようですが、こちらも同法では制度的に何かサポートするということにはなっていません。

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自然エネルギー発電事業による農林水産業の活性化と考えると、太陽光発電はソーラーシェアリングによる営農との両立、農業用水路などを活用した小水力発電、森林資源の保全に繋がる木質バイオマス、畜産業と密接に関わる畜産バイオマスなど多くの選択肢があります。

各地の事業に関わりながら見えてきているのは、固定価格買取制度によって自然エネルギー発電事業が地域の新しい産業になると認知され、取組を進めて行こうという動きが少しずつ活発になってきてはいます。

一方で、ポテンシャル調査・事業性評価・計画立案に合意形成と準備だけでも2~3年の時間を要することはざらで、まだまだ長い目で見た制度政策の支援も欠かせません。

まだまだわが国の自然エネルギー発電事業はスタートアップ段階にあり、農山漁村再生可能エネルギー法は地方自治体の積極的な行動を求める内容になっているものの、右も左も分からない地域の方が多いというのが実感です。

まだしばらくは、取り組みの芽を育てていくような方向での政策が必要となるでしょう。