固定価格買取制度:種子島における出力抑制の検証結果報告
今年5月に種子島で実施された全国初の太陽光発電所の出力抑制について、電力広域的運営推進機関(広域機関)から検証結果が公表されました。
九州電力からの報告を受けての検証作業です。
ちなみに、最近流行りの「出力制御」ではなく「出力抑制」という表現が用いられています。
再生可能エネルギー発電設備の出力抑制に関する検証結果の公表について|お知らせ|電力広域的運営推進機関ホームページ
今回の検証内容は以下の3点です。
- 抑制指令を行った時点で予測した離島の需給状況
- 下げ代確保(発電機の出力抑制、揚水発電の揚水運転)の具体的内容
- 再エネの出力抑制を行う必要性
出力抑制の根拠となった予想需給データは以下のようになっています。
(出典)OCCTO資料より抜粋
需給予測は平成22年のGWのデータとの比較によって算出されており、供給予備率は10%となっています。
このデータに基づき、600kWの出力抑制を行うため、島内の出力1,000kWの太陽光発電所1基に対して発電所の停止が指令されました。
報告書内では、島内の火力発電所の運転調整による出力抑制回避について検証されています。
天候急変にも対応できるよう選定された6,000kW×3台の発電機について、安定的に稼働する最低出力50%(上記図表の9,000kWの項)以下にすることは困難であり、より小型の発電機との組み合わせでは出力の安定的な確保ができないとの評価です。
なお、実際に5月5日がどのような需給状況であったかの実データについては掲載されていません。
今回は離島内という需給調整手段が限られた環境での事例ですが、天候変動に対する備えとして大型の発電機を稼働することとしたため、今後の気象予測精度の向上によって出力抑制を回避する措置を図れると考えられる結果となっています。