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ちばえこ日和

日本初の博士(公共学)という学位を持つ大学発ベンチャー「千葉エコ・エネルギー株式会社」の代表が、自然エネルギーのことから地域活性化まで様々な話題をお届けします。

固定価格買取制度:九州電力 出力抑制(出力制御)枠の再算定結果などを公表 (2)

(1)から引き続き、九州電力管内における出力抑制(出力制御)の再算定結果などについて見ていきます。

九州電力の公表資料で再算定された出力制御の見通しについて、下記に再掲します。

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(出所)九州電力 再生可能エネルギーの接続可能量(年度算定値)等の算定結果について[概要]

現在、九州電力管内における太陽光発電の接続済(既に運転開始している)案件と、連系承諾済(運転開始される確度が高い)案件の合計は、9月末時点で921万kWとなっています。

連系承諾済案件376万kWに対して、過去1年間の九州電力管内における運転開始量は約150万kWのため、上記の表における「太陽光の追加接続量+100万kW」ケースが2~3年以内に生じてくることになります。

連系期間の長期化要因となっている上位系統の対策工事の進捗次第ですが、現在の接続契約申込み案件が段階的に接続済へと移行するとした場合、2019~2020年頃には九州電力の試算における出力制御率10%が必要になると予想されます。

もちろん、現状の九州電力による各種想定通りになった場合は、という前提ではあります。

 

この試算に際して、九州電力が保有する各発電所稼働状況想定についても見直しが行われています。

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(出所)九州電力 再生可能エネルギーの接続可能量(年度算定値)等の算定結果について[詳細(第7回系統WG プレゼン資料)]

今回、出力想定が変更されたのは、太陽光、風力、バイオマス、地熱、一般水力と原子力の各発電設備です。

バイオマス及び地熱発電所は今後の新設分が見込み値に含まれるようになり、一般水力は小水力の増加分が加算、太陽光と風力は26年度実績値を採用しています。

また、前回試算で全基再稼働が前提とされていた原子力発電所は、廃炉が決定した玄海原発1号機が除外されましたが、再稼働した川内原発を含む5基については設備利用率83.7%を見込んだ発電出力が参入されています。

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(出所)九州電力 再生可能エネルギーの接続可能量(年度算定値)等の算定結果について[詳細(第7回系統WG プレゼン資料)]

現在のところ玄海原発は全て停止しているため、この分の出力調整の余力はあると見ることが出来ますが、これらが全て再稼働した場合には前掲のような出力制御状態になると想定されます。

発電事業者側として最も関心の高い「いつ出力制御が始まるか」については、本資料が提出された経済産業省総合資源エネルギー調査会の系統ワーキンググループで「公平な出力制御」に向けた手法の検討も進んでいるため、その結果も見ながら考えていく必要があるでしょう。

国内の電力需要や広域系統の運用見直し、そして原子力発電を含む他電源の動向にも左右されますが、やはり2020年前後が一つのターニングポイントになりそうだというのが、今回の資料から得た感想です。