ちばえこ日和

日本初の博士(公共学)という学位を持つ大学発ベンチャー「千葉エコ・エネルギー株式会社」の代表が、自然エネルギーのことから地域活性化まで様々な話題をお届けします。

系統運用:GW中に出力抑制(出力制御)は実施されるか? - 九州電力や四国電力管内での実施懸念

晴天の続くゴールデンウィークとなれば、多くの人々が行楽に出かけ各地が賑わうという明るいイメージですが、太陽光発電事業者にとっては『出力抑制(出力制御)』の単語が脳裏から離れないシーズンでもあります。

4月から5月にかけては日照時間が長くなり、晴れ間も続くことで1年の中でも最も太陽光発電の設備利用率が高くなる一方で、過ごしやすい気候で空調などのエネルギー需要は減り、連休ともなればオフィス需要の減少などで需要低下が更に大きくなります。

昨年末に以下の記事で触れましたが、 四国電力平成29年のGWを例にとって太陽光発電の電力供給量が電力需要量の85%に達するという資料を公開していました。

cee.hatenablog.jp

国内では、一昨年の5月5日に九州電力種子島で国内初となる出力抑制を行っています。その後も離島部で出力抑制が続いており、今年もGW前半の4月29日には6,310kW、4月30日には8,904kWの設備に対して出力抑制指令が出されています。

上で四国電力の例を挙げましたが、現在最も懸念されているのは太陽光発電の急速な導入が続く九州本土での抑制実施です。

調整電源が乏しく地域間連系もされていな離島では、あっさりと太陽光や風力発電設備の出力抑制に至りますが、揚水発電所や地域間連系線による調整が可能な九州本土で優先給電順位が5番目となる太陽光・風力にまで出力抑制が果たして容易に至るのかどうか。

実施されれば広域機関(OCCTO)による検証を含めて大きな議論が巻き起こることは間違いなく、電力会社も慎重にならざるを得ないという指摘もある中で、「いつかは起きる」ことも間違いない出力抑制の実施がいつになるのか固唾を呑んで見守る日々が続きます。