ちばえこ日和

日本初の博士(公共学)という学位を持つ大学発ベンチャー「千葉エコ・エネルギー株式会社」の代表が、自然エネルギーのことから地域活性化まで様々な話題をお届けします。

再エネ業界ニュース:「海上の森」のメガソーラーが是正工事完了 - 法令違反の是正等を実施

愛知県瀬戸市にある「海上の森」に隣接して建設され、複数の法令に対する無許可・無届けでの事業がメディアで取り上げられたメガソーラーの是正工事が完了したと、日経テクノロジーonlineでレポートされていました。

techon.nikkeibp.co.jp

海上の森」は、愛知万博の会場候補地になったものの市民運動によって候補地撤回が決まり、現在は「愛知万博記念の森」として保全が図られています。

そこに隣接する形で建設されたこのメガソーラーは、2016年2月に「市の土地利用調整条例による中止勧告を無視した建設工事」などと報じられました。

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折しもFITによる太陽光発電所の急増によって自然環境や景観破壊への社会的関心が集まりつつあった時期に、万博記念の森に隣接しているという立地や、遺跡の破壊など4つの法令違反(無許可・無届け)が重なっていたことで、全国的に大きく取り上げられ注目していた案件です。

最終的には、発電事業者側が行政指導を受け入れてパネルの撤去を含む是正工事に応じた形に落ち着いたようですが、同じような事例は全国各地で生じているのではと考えています。

今回は立地によって社会的な関心を集めたこともあり、事業者側も対応に動いたことが推測されますが、住民による反対運動や行政による懸念を受けても工事を強行する事例が引き続き起きていることから、国内の太陽光発電事業を巡るトラブルはまだまだ終息しそうにはありません。