ちばえこ日和

日本初の博士(公共学)という学位を持つ大学発ベンチャー「千葉エコ・エネルギー株式会社」の代表が、自然エネルギーのことから地域活性化まで様々な話題をお届けします。

再エネ業界ニュース:再エネ発電設備の系統連系問題の改善を申し入れ - 資源エネルギー庁や電事連へ

10月に京都大学の安田教授が『送電線に「空容量」は本当にないのか?』というコラムを発表し、実際に東北電力管内での基幹送電網の空容量を計算した結果を公表したことが大きな話題となりました。

現在、北東北(青森・秋田・岩手・宮城)では再生可能エネルギー発電設備の接続申込みが増え、その対策工事には10年以上を要すると東北電力は発表しています。

改正FIT法の下で再生可能エネルギー発電設備の優先接続ルールも廃止され、送電線の空容量問題が再エネ普及の足を引っ張る中で、資源エネルギー庁電事連に対して「原発ゼロ・自然エネルギー推進連盟」が改善要請を行ったと報じられています。

www.tokyo-np.co.jp

この申し入れの様子は、下記のサイトで詳細に見ることが出来ます。

「自然エネルギー」の送電線利用拒否に申し入れ書を提出 | OurPlanet-TV:特定非営利活動法人 アワープラネット・ティービー

 

現在の各電力会社による送配電線の「空容量」は、

  • 系統が1回路遮断された場合も支障なく電力供給できるよう50%の容量を確保
  • 接続されている全ての発電所が定格出力で稼働する
  • 接続の申込みが行われている全ての発電所の定格出力分を確保
  • 停止している原発など将来再稼働する予定の発電所の定格出力分を確保

など、言うなれば最も保守的な条件を前提として積算されています。

この問題を調査し、実際に送電線がどのように利用されているかを試算した安田教授のコラムは下記になります。

www.econ.kyoto-u.ac.jp

太陽光発電設備は普及が進み、昨日には調達価格等算定委員会での資料が公表されましたが、来年も更にFIT単価の引き下げは行われていきます。

しかし、メーカーや施工業者、発電事業者がどれだけコストダウンの努力をしていっても、それを嘲笑うかのように高額な系統連系のための工事負担金が電力会社から舞い降りてくるのが現状です。

来年も引き続き、この問題はホットトピックとなるでしょう。