ちばえこ日和

日本初の博士(公共学)という学位を持つ大学発ベンチャー「千葉エコ・エネルギー株式会社」の代表が、自然エネルギーのことから地域活性化まで様々な話題をお届けします。

固定価格買取制度:小型風力発電のFIT廃止へ - FITからの自立化の目処が立たず

1/19に開催された調達価格等算定委員会で、小型風力発電のFITにおける扱いが議論されました。その結果を受けて、小型風力のFIT価格廃止が各所で報じられています。

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低すぎる設備利用率

設備費や維持管理費などが報告される中で、コストが大型風力よりも低減が進んでいないと言うこと以上に、設備利用率の低さが問題とされました。

ほとんどの事業で設備利用率が10%を下回るという状況の中、諸外国と比較しても今後FITによる支援で長期的な電源としての自立化は困難という評価だったようです。

今後の小型風力の扱いは?

設備利用率の低さは、小型風力発電機の性能という問題だけでなく立地の選定にも課題がありそうです。青森・秋田を中心に海岸沿いの小型風力乱立が起きているほか、千葉県内でも太平洋側を中心にポツポツ見かけるようになりましたが、お世辞にも風況がいいとは言えない場所に立っています。

この議論が確定すれば「20kW未満の風力発電」という区分は廃止されますが、規模を限定しない風力発電としてのFIT(2018年度は20円/kWh)は継続するので、もしこの調達価格でも対応できるところがあれば、今後も小型風力は続いていくことになるでしょう。

ただ、今まで以上に綿密な風況シミュレーションと適地選定が必要になり、市場の大幅な縮小は避けられない情勢だと思います。