ちばえこ日和

日本初の博士(公共学)という学位を持つ大学発ベンチャー「千葉エコ・エネルギー株式会社」の代表が、自然エネルギーのことから地域活性化まで様々な話題をお届けします。

高FIT案件の引き下げ措置に対するパブリックコメントを提出しました

経済産業省資源エネルギー庁が行っているパブリックコメント「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法施行規則の一部を改正する省令案等に関する意見公募について」に対して、意見を提出しました。

巷では「高FIT案件一掃作戦」とも言われる、主に40~32円の未稼働・滞留案件一掃に関する措置です。

未稼働・滞留案件の整理が必要であるとした上で、提出したコメントの概要は下記の通りです。

①設備認定・事業計画認定に関する検証を行わないままの早急な措置

現在未稼働・滞留案件となっている案件は、これまで何度も資源エネルギー庁による報告徴収や聴聞を経ており、設備認定・事業計画認定の手続き上は瑕疵なく過ごしてきているものです。昨年にはみなし認定制度が始まりましたが、この制度でも多数の設備認定が取り消されており、それでもなお残っている認定案件を拙速な制度変更によって無理矢理調達価格を引き下げることは、監督官庁としてこれまで行ってきた制度運用の失敗を認めているに等しい対応です。

調達価格の変更は制度の根幹に関わるものですから、これまでのFIT法の認定制度運用に対する検証を行った上で、未稼働・滞留案件の整理に必要な手続きを整えるべきとしました。

②送配電事業者が手続きの窓口となることの問題

今回のFIT価格引き下げにつながる変更の認定と見なされる手続きは、送配電事業者が「系統連系工事着工申込みの受領」という手続きを行うことで適否が判断されます。しかし、事業計画認定は経済産業大臣の名前で行われるものであり、その手続きを民間企業による書類の受領によって代えるべきではありません。

③国際的な投資対象国としての信用の毀損

FIT制度による再生可能エネルギーへの投資には、外国企業も多く参加しており、これは国際的なエネルギー開発投資の一環です。今回のように、案の公表から1週間でパブリックコメントがかかるような急激な制度変更を行い、投資家が損害を被るような事態を許容してしまうと、国際的な投資対象としての日本国の信用を毀損することになります。また、今回の措置によって外国投資家が損害を被ったことで国際投資紛争となり、我が国が仲裁裁判などで敗訴することになれば、その賠償金によって多額の国民負担が生じることも懸念されます。

 

パブリックコメントは以下のサイトから受け付けられていますので、まだ提出されていない方は是非意見を送ってみてください。

search.e-gov.go.jp