ちばえこ日和

日本初の博士(公共学)という学位を持つ大学発ベンチャー「千葉エコ・エネルギー株式会社」の代表が、自然エネルギーのことから地域活性化まで様々な話題をお届けします。

台風15号による千葉県内の被害状況の記録(最終更新:9月14日23時)

9月8日から9日にかけて関東地方に接近・上陸した台風15号により、現在も千葉県内では大規模な停電が続いています。10日朝現在、高速道路の不通・鉄道の運転見合わせや運休・信号の停電による道路網のマヒなど、生活に大きな支障がある状況です。

9日に街中や自社農業・発電設備などを見回りましたが、その様子は8年前の東日本大震災の翌日にやはり街中を回ったときと、とても似通った空気を感じました。

まだ現在進行中の災害と言えますが、その状況を記録しておきます。

9月14日23時 追記

9月8日 台風接近

  • 朝方は快晴で、風も雨もなく台風の接近を実感できない程度
  • お昼前頃から、雲が増えて各地で通り雨が降るように
  • 夕方頃まで特に大きな天気の変化はなし
  • 21時頃から風雨が強くなる
  • 零時過ぎには暴風雨で眠れないほど

9月9日 台風上陸・通過

  • 3時~5時頃に暴風雨が最も強くなる
  • 4時半に千葉市で最大瞬間風速57.5m/sを観測
  • 3時半~5時半頃まで、継続的に最大瞬間風速40m/s以上を観測
  • 8時過ぎには雨がやみ始める
  • この頃、停電や道路冠水、倒木などによる道路通行不能により渋滞多発
  • JRを始めとする在来線は運転見合わせを続行
  • JR東千葉駅の架線支障で、千葉駅への電車の発着が不可能との報道
  • 10時過ぎに大木戸圃場へ向かうが、通行止め多数で通常の1.5倍の時間を要する
  • 住宅街や市街地でも信号が消えており、戸惑う車でスムーズに流れない状況
  • 大木戸町の圃場に向かう道路の2ヵ所で、倒木による配電線の断線を確認

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倒木による配電線の損傷
  • 天候は台風一過の晴れ模様となり、蒸し暑さが増してくる
  • 11時頃に圃場で現場確認と飛来物の撤去作業を実施
  • 営農型太陽光発電設備には損傷がないことを確認
  • 農業関連設備にも大きな損傷はないことを確認
  • 周辺一帯の停電により発電所の再稼働は未定

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台風15号通過後の大木戸アグリ・エナジー1号機
  • 往復する道中、複数の水没地点や家屋の損壊などを目撃
  • その後、日没後まで停電の解消には大きな進展が見られず
  • 13時過ぎに市原市の山倉ダムにある水上太陽光発電設備で火災発生
  • 15時頃に水上太陽光発電設備の火災は鎮火
  • JRは千葉駅から先の下り方面について9日中の再開不能を告知
  • 東京電力が10日以降の停電復旧計画を公表するが、10万軒程度で長期化の見込みとの報道

9月10日 インフラ復旧せず(23時時点)

  • 朝方段階で、一部のJR線(外房線・内房線・総武本線・成田線)が運転を再開
  • 内房線の五井駅などで入場規制との情報
  • 断水は県内で8万軒以上
  • 高速道路も一部区間で通行が再開されるが、圏央道や館山自動車道の一部が継続的に不通
  • 停電軒数は昨晩から2万軒ほど減少したが、午前7時段階でまだ57万軒が停電中
  • 停電に伴う断水も生じているが、給水などの情報が得られない状況
  • 信号の消灯により引き続き一般道では大渋滞が継続
  • 総武本線・成田線方面は1時間に1本以下の運行
  • 総武線快速も大幅なダイヤ乱れでの運行
  • 深夜零時段階で、引き続き約50万軒が停電中
  • JR線は、明日も外房線が54%不通、内房線が85%不通、総武本線が80%不通、成田線が70%不通、鹿島線と久留里線は全面運休という状況

9月11日 インフラ復旧の遅延が深刻化(23時時点)

  • 停電は引き続き46万軒で継続中(8時時点)
  • 連動して断水も7~8万軒で継続中(8時時点)
  • 東京電力は本日中の全面復旧を目指すとのこと
  • 千葉市内でもコンビニ・スーパーの品切れが相次ぐ
  • 同様にファミレスなど飲食店も食材が尽き始めている
  • ガソリンスタンドの在庫切れも見られるように
  • 停電地域近辺のコインランドリーは大混雑
  • 高速道路の不通はほぼ解消したが、東金自動車道の高田ICと館山自動車道の鋸南富山ICが閉鎖中
  • JR線は、外房線が千葉~上総一ノ宮間、内房線が千葉~木更津間、総武本線が千葉~佐倉間、成田線が千葉~成田間で本数を減らして運転し、鹿島線と久留里線は全面運休
  • 停電は38万軒で継続中(23時時点)
  • 断水は2万戸以上で継続中(16時時点)
  • 千葉市内のガソリンスタンドで在庫切れが続く(中央区で3ヵ所確認)
  • チェーンの飲食店は千葉市内で食材補充が進んでいる模様
  • 停電エリアの携帯電話基地局で非常用電源切れが進み通信障害が広がる
  • JR内房線は君津まで運転再開
  • 高速道路はICの閉鎖が全て解除
  • 東京電力は停電の全面復旧が13日以降になると発表

9月12日 停電4日目に入り状況は悪化(9時時点)

  • 停電は34万軒で継続中(9時時点)
  • 断水も1万戸以上で継続中(9時時点)
  • 東京電力によると、千葉市内は12日中に停電解消見込み
  • 県内全域の停電復旧は13日以降になる見込み
  • JR内房線は君津~安房鴨川間で運休、外房線は勝浦~安房鴨川間で運休、久留里線は全面運休
  • 昨晩の雷雨等により、八街市などで停電軒数が増加
  • 停電復旧エリアでは携帯電話通信も再開しているが、停電継続エリアでは通信不能エリアが拡大している

9月13日 停電5日目で復旧の長期化が判明(23時時点)

  • 停電は20万軒を下回る程度で推移(18時時点)
  • 停電に伴う浄水場のポンプ停止長期化で、断水地域の拡大が報じられる
  • 東京電力パワーグリッドが停電の長期化を発表
  • 南房総市や館山市などでは最長2週間以上を要するとのこと
  • 房総半島内陸部を中心に、手つかずの倒木がまだ多く見受けられる
  • JRは久留里線を除いて全面復旧
  • 週末にかけてボランティアの受け入れに関する窓口開設が拡大

9月14日 停電6日目 3連休に突入(9時時点)

  • 停電は15万軒程度で推移(9時時点)
  • 市原市などで再度の停電が起きたエリアの情報も
  • 東京電力が停電期間中の電気基本料金免除を発表
  • NTT docomoなど通信各社が災害救助法の適用を受けてデータ通信制限解除
  • 15時頃に君津市で通電火災が発生との報道
  • 停電は14万軒前後とほとんど復旧せず(23時時点)
  • 千葉市中央区、銚子市、長生村、睦沢町、一宮町などで停電解消

「営農型太陽光発電ソーラーシェアリングの最前線」セミナーに登壇します

日本太陽エネルギー学会が主催する、光化学・バイオマス部会 第11回/太陽光発電部会 第27回 合同セミナー「営農型太陽光発電ソーラーシェアリングの最前線」に、スピーカーとして登壇することになりました。

9月30日に神楽坂の東京理科大学で開催され、学会員以外の方も参加できます。

www.jses-solar.jp

太陽エネルギー学会が取り上げるようになったソーラーシェアリング

かつては、太陽光発電業界でもほとんど知られていなかったソーラーシェアリングも、こうして太陽エネルギー学会の部会合同セミナーとして取り上げられるテーマとなったことは、隔世の感があります。

私は農林水産省再生可能エネルギー室の担当官の後に、「ソーラーシェアリングの最新動向」をお話しすることになりますが、学会主催のセミナーでどのような内容を取り上げるか、鋭意検討しなければというところです。

ビームス ジャパンの店頭に千葉エコのソーラーシェアリングが並ぶ日

8月28日から新宿の「ビームス ジャパン(BEAMS JAPAN)」の店頭で、みんな電力による「電気の店頭販売」がスタートしました!

その販売ラインナップの中に、千葉エコの匝瑳飯塚Sola Share1号機が含まれています。

www.fashionsnap.com

店頭で電気が気軽に買える時代

今回は、店頭で気に入った発電所の「電気のカード」を1,000円で購入し、みんな電力への電気の切替を申し込むと、3,000円分の電気代に充当されます。

電気の小売完全自由化で「背景やストーリーに共感し、顔の見える生産者から電気を買う時代」が始まり、自然エネルギーの価値が更に高まってきています。

新宿で気軽に電気が買える時代が、ついに始まりました。

キャンペーンは10月1日まで開催していますので、是非足を運んでみてください。

千葉大生の発案による「営農型太陽光発電」の見学会を大木戸で開催します!

千葉大生の企画発案による「営農型太陽光発電」の見学会を、9月18日に千葉市大木戸アグリ・エナジー1号機で開催します!

私がかつて所属していた、千葉大学環境ISO学生委員会のメンバーによる企画です。

prtimes.jp

農業とエネルギーの未来を考える

千葉県の農業関係者や千葉大生をターゲットとして、営農型太陽光発電(ソーラーシェアリング)の見学会を行い、農業とエネルギーの未来を考える切っ掛けとしてもらうためのイベントです。

千葉大学と京葉銀行が2017年からスタートさせた「7色の虹を千葉から未来へ ~千葉大学×京葉銀行ecoプロジェクト~」の一貫として、毎年学生が自由にアイデアを出す7つの企画の1つとなりました。

3週間後の当日が、とても楽しみな企画です。

「とくしま自然エネルギービジネスマイスター講座」に講師として登壇します

10月から5回連続の講座として徳島市で開催される、「とくしま自然エネルギービジネスマイスター講座」に講師として登壇することになりました。

私は、11月28日(木)に開講予定の第4回講座「<太陽光>~自然エネルギービジネスプランを事業として成立させる~」を担当させていただきます。

太陽光発電(ソーラーシェアリング)の現状と課題や、地域で地産地消型のエネルギー事業を進める際の課題や対応方法について、お話しする予定です。

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講座の詳細や申し込み

講座の詳細は、下記の主催者Webサイトをご覧ください

eco-toku.org

 

太陽光発電の主力電源化に向けて - 新たな太陽光発電設備のガイドライン策定検討委員会に参加

お盆も明けた今週月曜日、都内で開催されたとある検討委員会に委員として参加をしてきました。

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検討委員会に委員として参加

今回は、NEDO事業として実施されている「太陽光発電システム長期安定電源化基盤技術開発」事業の、「【研究開発項目I】太陽光発電設備の信頼性・安全性向上 有効技術の評価」に関する検討委員会です。

www.nedo.go.jp

主なテーマは、今後脱FIT化が進み太陽光発電の一層の普及が進むことになる中で、電源としての信頼性・安全性向上のための技術検討や、新たな設置形態としての急傾斜地・営農型・水上型に対する設計施工ガイドラインの策定に向けた企画立案です。

私は主に営農型のワーキンググループの委員として、この企画立案に携わっていきます。

既に諸外国でソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)の標準仕様の策定も進む中、日本でも遅まきながらガイドライン作りの準備がスタートしました!

毎週クレジットカードを1枚食べるという生活

変わったブログタイトルをつけましたが、この背景は2ヵ月前の下記の記事から引っ張ってきたものです。

jp.reuters.com

毎週5gのプラスチックが体内に摂取されている

マイクロプラスチック問題が脚光を浴びる中で、飲料水を最大の摂取源として私たちが日々体内に取り込んでいるプラスチックは週に5gクレジットカード1枚分という調査結果が紹介されています。

記事中にはアメリカにおける水道水サンプルの94.4%から、プラスチックの繊維が検出されたとしていますが、更に昨日になって下記のような記事も報じられています。

www.cnn.co.jp

マイクロプラスチックはどこからやってくるのか?

これもアメリカで行われた調査ですが、雨水の90%にマイクロプラスチックが含まれているということが明らかになったものの、ではそれがどこから来ているのか?はまだ不明としています。

少なくとも、雨水にこれだけ含まれているということであれば、飲料水にマイクロプラスチックが存在する背景も見えてきます。

昨年の秋に人体中のマイクロプラスチックの存在について学会での報告が行われてから、そのルートを探っていく研究が進んでおり、少しずつ自然界におけるマイクロプラスチックの流れが見えてきています。

natgeo.nikkeibp.co.jp

日本国内でも脱プラスチックの動きが活発化する中で、「どこからプラスチックが自然界に流出しているのか」を明らかにすることが、問題解決の重要なポイントになることは疑いありません。

韓国で開催された世界初の営農型太陽光発電国際シンポジウム - ソーラーシェアリングの各国事情を探る

7月24日に韓国は羅州市にある韓国電力本社で開催された、営農型太陽光発電国際シンポジウムの様子をスマートジャパンのソーラーシェアリング連載記事として投稿しました。

日本・韓国・中国・ドイツの営農型太陽光発電に関する研究者が参集した、世界初の営農型太陽光発電をテーマとした国際シンポジウムです。

www.itmedia.co.jp

各国の事情は

詳細は記事を見ていただければと言うところですが、設備や農業面の研究では韓国が急速に取り組みを進めていて、導入量では中国が圧倒的、ドイツは1980年代からの研究が実を結んできたというところです。

2020年代前半にはソーラーシェアリングの世界導入量は10GWに達すると予想され、今後は農業との共生によって太陽光発電のメインストリームの一角を占めるに至るでしょう。

その中で、2010年代は先頭を走ってきた日本が果たして猛追してくる各国を躱し続けられるのか、それともかつての太陽電池産業のように後塵を拝する結果になるのかは、本当にここ1~2年のアクションにかかっています。

政策への導入は進む一方で、民間依存によって技術開発と普及で後れを取るという「日本あるある」な状況を、ソーラーシェアリングでも繰り返さないようにしたいと思います。

農業と自然エネルギー研究の第一歩 - 次世代農業エネルギー研究会の設立記念イベントを開催しました

去る8月1日に、千葉商科大学国府台キャンパスで次世代農業エネルギー研究会の設立記念イベントを開催しました。

当日は20名の研究者・実務家の方々の参加を得て、各自の持つ営農型太陽光発電(ソーラーシェアリング)事業や農業分野における自然エネルギー利用について、課題意識などを共有することができました。

これまで、自然エネルギー事業が農業に密接に関わる分野として注目されてきましたが、この研究会を通じて農業サイドからも自然エネルギーの活用やエネルギー転換に関する興味関心を喚起したいと思い、まずは設立記念イベントを開催するに至りました。

www.chiba-eco.co.jp

千葉商科大学の原科学長による基調講演など

イベントでは、冒頭に千葉商科大学の原科幸彦学長による基調講演で、自然エネルギー100%大学に向けた取組の進捗状況などについてお話しがあったほか、私が発起人代表として研究会の設立趣旨や現在の営農型太陽光発電普及における課題、そして我が国の農業が抱える深刻な問題などについて報告しました。

事例報告として、F&Eあしがら金太郎電力の小山田さんから小田原市におけるソーラーシェアリングの取り組みについて発表があったほか、各参加者の活動紹介などがありました。

千葉商科大学のキャンパス内に設置されたソーラーシェアリング設備の視察も行い、CUC100ワイン・プロジェクトについての説明を受け、ソーラーシェアリングの学内導入による学生や教員の活動なども学ぶことが出来ました。

今後は、研究会の定期的な開催や、オープンなシンポジウムの開催などを通じて、農業と自然エネルギー分野におけるアカデミックな議論を深める機会を創っていきたいと考えています。

研究会のWebサイトはこちら

www.nextagri.org

「ソーラーシェアリングサミット2019 in 柏」を共催します

毎年全国からソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)の関係者が結集するソーラーシェアリングサミットが、今年は千葉県で開催されます!

開催地は千葉県柏市、まだソーラーシェアリングの影も形もない場所ですが、これからの普及を目指すべく「ソーラーシェアリングサミット2019 in 柏」が9月7日に開かれます。

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ソーラーシェアリングサミット2019 in 柏

今年は千葉エコ・エネルギーとして共催

昨年は講演者として、神奈川県小田原市で開催されたサミットに登壇しましたが、今年はセッションを1つ担当することとなり、地元千葉での開催ということもあって千葉エコ・エネルギーとしての共催になります。

私のセッションでは、営農継続に不安のあるソーラーシェアリングが増えてきたと言われる中で、「農業のための太陽光発電事業」というソーラーシェアリングの本義を見直し、ポストFIT時代に更なる普及を図るための方策について議論したいと思います。

参加申込みは下記から

事前申し込みがスタートしていますので、下記からご登録ください!

passmarket.yahoo.co.jp