ちばえこ日和

日本初の博士(公共学)という学位を持つ大学発ベンチャー「千葉エコ・エネルギー株式会社」の代表が、自然エネルギーのことから地域活性化まで様々な話題をお届けします。

再エネ業界ニュース:伊東市の市長がメガソーラー計画の白紙撤回を事業者に要請 - 地元の反対署名を事業者に提示

先日取り上げた、静岡県伊東市の大規模メガソーラー事業計画に対する地元の反対運動に新たな展開です。

伊東市の小野市長が、同メガソーラー事業の事業者である伊豆メガソーラーパーク合同会社を市役所に呼び、地元住民による建設計画への反対署名を示して計画の白紙撤回を求めたとのことです。

 

メガソーラー:計画の白紙撤回を 伊東市長、事業者に要請/静岡(毎日新聞)

 

6月の記者会見では、発電事業者側は地元住民による計画の白紙撤回要請に対して事業計画を継続する姿勢を示していました。

地元住民による反対運動を受けた首長によるメガソーラー事業計画の撤回要請というのは珍しく、今回の要請を受けた事業者側の対応が注目されます。

 

お知らせ:千葉エコ・エネルギー株式会社 本社移転のお知らせ

本日付で、千葉エコ・エネルギー株式会社の本社移転を行いましたので、お知らせします。新住所は下記になります。

 

【新住所】

 〒263-0022

 千葉県千葉市稲毛区弥生町2-15 西千葉浪花ビル3階

 

西千葉駅北口側のオフィスビルへの移転となり、駅から徒歩3分ほどのアクセスになりました。オフィスの窓からは千葉大学西千葉キャンパスが臨める立地です。

創業以来オフィスの移転は2回目となりますが、ついに本格的なオフィススペースへの移転!ということで、この週末も引っ越し作業が続きます...。

再エネ業界ニュース:静岡県伊東市のメガソーラー計画に反対署名運動 - 市長も白紙撤回を求める

全国各地で大規模なメガソーラーに対する自然環境や景観保護の観点からの反対運動が広がっていますが、現在進行形で進むプロジェクトに静岡県伊東市の40MW規模のメガソーラーに対する地元反対運動があります。

事業計画面積が約105ha、造成面積48.7haとされる大規模な山林開発計画となっており、計画地には伊豆高原の別荘地などが隣接していて、山を下って400mも離れたところは漁港となっています。

この開発による自然景観の破壊や、周辺別荘地への影響、海洋環境への影響など様々な問題が懸念されています。

市民による反対運動と署名活動

今回の事業計画に対しては、複数の団体が反対署名活動を行い静岡県伊東市に対して提出しています。

6月22日に市民団体から市長宛に反対署名が提出されており、同市内ではこれで3件目の署名提出ということです。

izu-np.co.jp

今年5月の選挙で就任した小野市長は、選挙戦に際して今回のメガソーラー事業に「住民同意が得られないのであれば反対」との立場を取っており、上の記事でも同様の発言をしています。

事業者側の対応

一方で、発電事業者側は6月13日に市役所で記者会見を開いており、白紙撤回の要請に対しては事業を継続する意向を示しています。

izu-np.co.jp

報道記事などから本件はFIT32円案件と見られ、40MWという規模を踏まえると発電事業者側が容易に手を引くことはなさそうに思います。

今後の展開は?

事業開発に絡み、静岡県に対する林地開発許可申請伊東市に対する宅地造成等規制法許可申請があり、その許可が下りなければ事業者は工事に着手することができません。

現在開催されている伊東市の6月議会では、太陽光発電事業による開発に対する反対決議も予定されていると言うことで、市民による反対運動を受けた行政がどのように対応していくかを含めて、今後の動向を注視していきたいと思います。

講演・メディア:信州大学松本キャンパスにて講演してきました - 現代の若者のキャリア形成

昨日、信州大学松本キャンパスにて開講されている講義「大学生から始めるキャリアデザイン」にて、講師を務めさせていただきました。

主に学部1年生を対象とした一般教養科目で、対話型の演習形式のため受講者は17名と少数でしたが、大学生向けに講義をするのはかなり久しぶりなので楽しみにして行きました。

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今回は、「自然エネルギーベンチャーの社長として話して欲しい」というオーダーだったので、冒頭部分では自然エネルギー業界の概要の話を入れつつ、演習形式でのワークを2つ挟んでの講義です。

ワークの1つ目は「自然エネルギーのイメージ」で、2つ目は「どうしたら自然エネルギーを地域の『しごと』にできるか」としました。

自然エネルギーのイメージはポジティブ・ネガティブを挙げて貰ったところ、1:2くらいの割合でネガティブなイメージが大きく、その内容は一般的にメディアで報じられているような、

  • 出力が不安定
  • 初期投資が高額
  • 発電効率が悪い
  • 環境を破壊することがある

といった点でした。

一番最後の「環境を破壊することがある」というのは、特に昨今大規模な太陽光発電で注目されている部分で、長野でも諏訪地方でのメガソーラー事業等が話題になっています。

これを受けて、実際にGoogle Earthのデータで山林が太陽光発電へと開発されていく画像を時系列で見せた時には、学生達が見入っていました。

FIT以前の自然エネルギーは、『環境負荷が少ないクリーンなエネルギー』という点を推して経済性が高くなくとも導入する理由があるという動機付けでしたが、現在は『環境負荷が高い自然エネルギーも増えています。

「どうしたら自然エネルギーを地域の『しごと』にできるか」では、成功事例を広めていくようなコンサルティング、市民発電事業、小さくて高効率だったりオシャレな発電機の開発など幅広い意見が出ました。

今回の講義は限られた時間だったので掘り下げきれませんでしたが、最後に今の時代の「しごと」観について少しばかり話をして講義終了です。

普段依頼のある市民向けのワークショップと違い、大学1年生を対象としたことでそのアウトプットの違い(特に2つ目のワーク)には驚かされました。

また次の機会があれば、今度は地域での自然エネルギーによる仕事作りに焦点を当てた講義をしてみたいと思います。

再エネ業界ニュース:「海上の森」のメガソーラーが是正工事完了 - 法令違反の是正等を実施

愛知県瀬戸市にある「海上の森」に隣接して建設され、複数の法令に対する無許可・無届けでの事業がメディアで取り上げられたメガソーラーの是正工事が完了したと、日経テクノロジーonlineでレポートされていました。

techon.nikkeibp.co.jp

海上の森」は、愛知万博の会場候補地になったものの市民運動によって候補地撤回が決まり、現在は「愛知万博記念の森」として保全が図られています。

そこに隣接する形で建設されたこのメガソーラーは、2016年2月に「市の土地利用調整条例による中止勧告を無視した建設工事」などと報じられました。

techon.nikkeibp.co.jp

折しもFITによる太陽光発電所の急増によって自然環境や景観破壊への社会的関心が集まりつつあった時期に、万博記念の森に隣接しているという立地や、遺跡の破壊など4つの法令違反(無許可・無届け)が重なっていたことで、全国的に大きく取り上げられ注目していた案件です。

最終的には、発電事業者側が行政指導を受け入れてパネルの撤去を含む是正工事に応じた形に落ち着いたようですが、同じような事例は全国各地で生じているのではと考えています。

今回は立地によって社会的な関心を集めたこともあり、事業者側も対応に動いたことが推測されますが、住民による反対運動や行政による懸念を受けても工事を強行する事例が引き続き起きていることから、国内の太陽光発電事業を巡るトラブルはまだまだ終息しそうにはありません。