ちばえこ日和

日本初の博士(公共学)という学位を持つ大学発ベンチャー「千葉エコ・エネルギー株式会社」の代表が、自然エネルギーのことから地域活性化まで様々な話題をお届けします。

自然エネルギー重大ニュース:九州電力がFITに基づく契約受け入れの全面停止を検討

今朝の新聞各紙などで取り上げられていますが、九州電力が固定価格買取制度(FIT)に基づく契約の受け入れについて管内全域での全面停止を検討するとのニュースが報じられました。以下は毎日新聞の記事へのリンクです。

九州電力:再生エネ買い取り中断検討 送電パンクの恐れ - 毎日新聞

 

ちなみに、毎日新聞では契約の受け入れ「中断」ですが日経新聞だと「可否の回答を保留」となっています。このあたりはニュアンスが違いますね。

先日取り上げた固定価格買取制度の認定状況データから数字を拾ってくると、九州電力管内で経済産業省から設備認定を受けた発電設備の総量は1,800万kWを超えてきています。九州電力の発電設備(他社受電分を含む)が2013年度時点で2,289万kWですから、仮に全ての認定設備が稼働するとなるとおそらく他社受電分を除く九州電力の保有発電設備に等しい規模になります。

しかも増加している自然エネルギー発電設備はほとんどが太陽光発電設備ですから、その需給バランスを取るために送電網の増強や変電所の対策が必要、というのが九州電力の言い分になるでしょうか。

川内原子力発電所の再稼働に向けた準備も進んでいますから、そこも関係してくるのかも知れません。

 

既に北海道や沖縄では自然エネルギー発電設備を送電網に接続することが難しくなっていましたが、これが九州にも波及したことで固定価格買取制度を含む日本の自然エネルギー政策は大きな山場を迎えることになりそうです。

このニュースが現実になれば、今後しばらくは新規に太陽光発電所などを建設したくても売電が出来ないということになりますから、九州各地で進められている大小の自然エネルギー発電事業は大きな打撃を受けることになります。

 

この一大ニュース、九州電力あくまで「検討を開始」して国との協議を行うということですが、固定価格買取制度の今後にも大きく関わることなのでその動向に注目したいと思います。

自然エネルギー発電事業と送電網を巡る話は、また別途記事にまとめます。

 

※本日付の九州電力ニュースリリースでは、「当社が発表したものではない」としています。

九州電力 9月20日付「九電再生エネ契約中断」等に関する報道について