ちばえこ日和

日本初の博士(公共学)という学位を持つ大学発ベンチャー「千葉エコ・エネルギー株式会社」の代表が、自然エネルギーのことから地域活性化まで様々な話題をお届けします。

固定価格買取制度:東北電力と九州電力の接続可能量に関する読売新聞報道

7日付の読売新聞朝刊一面に「再生エネ5割 利用不能」という見出しで、東北電力九州電力再生可能エネルギー発電設備に対する接続可能量についての記事が掲載されていました。

記事の内容は、政府と電力会社の調査結果として、再生可能エネルギー発電設備の受け入れ可能量が

  • 東北電力管内:500~600万kW(設備認定容量は1,200万kW)
  • 九州電力管内:800万kW(設備認定容量は1,800万kW)

以上の範囲にとどまるというもので、2社合計で最大でも設備認定容量の約47%しか受け入れられないという数値になっています。

記事中では電力会社が政府の要請に応じて調査した結果としか触れられておらず、どのような前提条件の下での数字なのかはわかりません。

また、九州電力管内の800万kWという数字は、9月30日に開催された新エネルギー小委員会に九州電力が提出した資料中で、電力需要が少ない時期の昼間の需要ラインとして示された値です。ちなみに東北電力は970万kWを軽負荷期の需要ラインとしています。


総合資源エネルギー調査会 省エネルギー・新エネルギー分科会 新エネルギー小委員会(第4回)‐配布資料(METI/経済産業省)

出力抑制などの対策の目安となる数字として取り沙汰されるものですが、実際には調整電源の活用や需要対策、地域間連系線の活用、そして出力抑制の運用変更で現在対応策が検討されているところです。

発電設備の定格出力と実際の発電電力量は異なるので、単純比較が出来ない値でもあります。

全国紙の朝刊一面に載るにはあまり目新しい情報のない記事となっており、月内には系統ワーキンググループで一定の方向性が出る予定であることから、より詳しい続報が出るのかどうか引き続き注目です。