読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ちばえこ日和

日本初の博士(公共学)という学位を持つ大学発ベンチャー「千葉エコ・エネルギー株式会社」の代表が、自然エネルギーのことから地域活性化まで様々な話題をお届けします。

固定価格買取制度:調達価格等算定委員会(第19回)に提出された意見(案)の中身(1)

固定価格買取制度(FIT)

先日、固定価格買取制度の平成27年度調達単価(買取価格)について速報的にまとめましたが、同じく調達価格等算定委員会に提出された「平成27年度調達価格及び調達期間に関する意見(案)」について、詳しく中身を見ていきます。

f:id:chibaecoenergy:20150227170030j:plain

 ①利潤配慮期間の終了と「供給量勘案上乗せ措置」

買取価格の決定にあたって、固定価格買取制度は導入当初3年間を集中的に再生可能エネルギーの導入を図る期間として、特に事業者の利潤に配慮した価格を定めることとしています。その結果、非住宅用太陽光発電は平成24年度単価が40円/kWhという高い買取価格が設定されました。

この利潤配慮期間が平成27年6月30日で終了するにあたり、これまで導入された再生可能エネルギー発電設備の動向から、急増した太陽光発電以外の電源については引き続き利潤の上乗せを継続するため、「供給量勘案上乗せ措置」(IRR1~2%相当)が実施されることとなっています。この措置は今のところ期限が区切られていません。

②非住宅用太陽光発電のコスト構造と設備利用率

今年も注目を集めた非住宅用太陽光発電の買取価格を決定するために、システム費用を始めとする様々な事業者からの報告データが集められていましたが、平成26年度の傾向としてシステム費用の下げ止まり傾向が見られました。

円安による輸入部材の値上がりや工事費の上昇などが言われますが、実感としてもモジュールでは円安の影響によるコストアップが顕著になっていました。昨年度の調達価格等算定委員会では平成26年度の想定値を27.5万円/kWとしていましたが、10-50kW未満の設備で32.2万円/kW、1,000kW以上のメガソーラーでも28.6万円/kWと当初想定まではシステム単価の低下が至っていません。

そのほか、発電所の発電パフォーマンスを示す設備利用率が13.0%から14.0%に上昇しており、発電所あたりの発電量が増加していると判断されています。

③非住宅用太陽光発電事業断念理由

多くの事業が動き出す中で、途中で断念される事業経済産業省の聴聞により設備認定を取り消される事業も増えています。アンケート調査による事業断念理由として「システム費用の高額化」は傾向として見られず、土地確保と許認可を理由とするものが過半数を占めたと言うことです。

金融機関からの資金調達を上げた回答も5%程度にとどまり、事業用地関係が最も多かったようです。

④出力抑制の折り込みと遠隔制御装置

現時点では出力抑制が行われた事例がないとした上で、設備の運転開始までのリードタイムを勘案すると当面は大規模な出力抑制が行われることは想定しにくく、買取価格に盛り込むことはしないとの判断。一方で、出力抑制が日単位から時間単位に移行することに合わせ、遠隔制御装置の設置費用については想定値に含まれることになっています。

言い換えれば、出力抑制が常態化した場合には買取単価に抑制時間分の損失が織り込まれる可能性があるということになります。長期的には需給調整技術の発達や送電網の整備により出力抑制時間は低下していくことが期待されるので、経過的な措置になるかも知れません。

 

以下、(2)に続きます。