ちばえこ日和

日本初の博士(公共学)という学位を持つ大学発ベンチャー「千葉エコ・エネルギー株式会社」の代表が、自然エネルギーのことから地域活性化まで様々な話題をお届けします。

太陽光発電事業:パネルメーカー破綻への対応 - 発電事業の長期安定稼働のために

13日に、資源エネルギー庁から平成27年9月末時点の設備認定状況が公表され、事業太陽光発電の導入量が1,929万kW/34.6万件に達していました。おそらく、昨年末時点で2,000万kWを超えたと見込まれます。

その中で、太陽光パネルを供給するメーカー数も出荷量も増え続けて来ましたが、試しに「JP-AC太陽光パネル型式登録リスト」を見ると、何とリストが103ページにも達していました。

これだけ多くのメーカー/製品が生産・出荷されている中で、徐々に問題になりつつあるのがメーカーの破綻や事業撤退への備えです。

各メーカーが10年~25年以上の長期出力保証を打ち出していますが、果たしてそれだけ長い期間に亘って太陽光パネル事業を継続しているのか、更に海外メーカーの場合は日本に支社を残しているかどうかによって、保証の実効性が変わってきます。

運転開始から10年・20年と経過していれば、モジュールをその時点の最新型にまとめて交換するということも考えられますが、2~3年しか経っていない段階での不具合発生に加え、メーカー保証も受けられないとなった場合の対策は、事業上の大きなリスクとなります。

今後、太陽光発電マーケットが落ち着いてくるにつれて、メーカーの淘汰が進んでくることは確実とみられる中で、ユーザー側では可能な限りのリスクヘッジと事前の対策が必要です。

太陽光パネルメーカーを選ぶ時点からの企業与信を見ることもそうですし、EPCによっては自社が販売した製品に対する独自の保証を付けている場合もあります。

太陽光発電の長期安定稼働に向けた固定価格買取制度の運用見直しが進む中で、太陽光パネルをどのように選んでいくかということ、そしてプレーヤーが絞られてくる中でのリスク対応というものは、非常に重視すべき点と思います。