電力自由化:小売全面自由化から1ヵ月 続くシステム側のトラブルで電力の市場取引に支障
4月に電力小売の全面自由化が行われてから1ヵ月、消費者の側がどの電力会社を選ぶかという情報はあふれていますが、その裏で国と電力会社が整備してきたシステムの不具合が続いています。
東京電力管内で、自由化にあたって必要なスマートメーターの設置が完了しないという報道がありましたが、この辺りは昨年末くらいから「間に合わないかも知れない」と言われていました。
そんな末端の機器設置が遅れる一方で、全国的な電力システムの管理を行う、「電力広域的運営推進機関」(広域機関)のシステムでもトラブルが続いています。
広域機関システム不具合による「連系線を利用した1時間前市場取引開始時期」の延期について|報道発表資料|電力広域的運営推進機関ホームページ
従来の電力会社管内を結ぶ連系線を使った、広域の電力融通を前提とする「1時間前市場取引」が卸電力取引市場で新たに可能となるはずが、連系線の利用計画を管理する広域機関システムにトラブルが生じています。
4/28に同取引が再開されるはずでしたが、同日中にトラブルを起こして再度取引が停止されている状態です。
大型連休が明けてもシステム再開のリリースはなく、地域間の電力取引が出来ない状態が続いているわけですが、自由化による一層の電力取引拡大を前に、基幹となるシステムの整備がいつ終えられるのか、課題山積です。