ちばえこ日和

日本初の博士(公共学)という学位を持つ大学発ベンチャー「千葉エコ・エネルギー株式会社」の代表が、自然エネルギーのことから地域活性化まで様々な話題をお届けします。

ソーラーシェアリング:全国ソーラーシェアリングサミット2018は大盛会となりました! - 全国から170名が参加

去る7月14日、小田原市で開催された全国ソーラーシェアリングサミット2018は、全国から170名余りの方々に参加をいただき大変な盛会となりました。

私はトップバッターの基調講演者として『ソーラーシェアリングが拓く次世代農業と地域再生モデル』と題し、ソーラーシェアリングの政策的な位置づけが明確化されてきたこと、自然エネルギーの普及拡大に向けたフロンティアとしての可能性があることや、地域再生に資する理由などについてお話しさせていただきました。

サミットの様子は、神奈川新聞で下記のように報じられました。

www.kanaloco.jp

先日のソーラーシェアリング推進連盟設立記念シンポジウムもそうでしたが、自然エネルギーをテーマとしたシンポジウムなどで、これだけの人数を集めることが出来るのはソーラーシェアリングの持つ可能性故だと再認識した次第です。

FITによって投資対象として自然エネルギーに魅力を持たせた結果、本来地域にある資源を利用したエネルギー事業という視点が欠落し、太陽光発電ではメガソーラーを中心に各地で反対運動など地元との軋轢を生んでいます。

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城南信用金庫の吉原顧問による基調講演

また、一次産業との親和性が高いはずのバイオマスでも、輸入木材やPKSなどを燃料とするプロジェクトが爆発的に増えたことで、「何のために現在世代が経済的負担をしてまで自然エネルギーを普及させるのか」という疑問も生まれてきています。

それに対して、農業というアプローチから地域の基盤となる産業の再生を図り、所得の直接的な増加によって地域の活性化に繋がるソーラーシェアリングは、エネルギーと食料という我が国の抱える2つの大きな資源問題解決を考えることに繋がる大きな可能性を持っていると言えます。

既に、千葉エコのアグリ・エナジープロジェクトを始めとして、ソーラーシェアリングによる脱FITを見据えた取り組みが始まっており、そこで生み出されるエネルギーそのものに価値があるという点は、今回のサミットのトークセッションなどでも話題となりました。

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小田原市長や松田町の町長らも加わったトークセッション

全体で6時間に及ぶ長時間のサミットとなりましたが、政府・地方自治体・企業・研究者・市民団体など様々な立場からの発言があり、一様にソーラーシェアリングへの期待が語られると共に、それによってどんな地域作りが可能となるのか、これからの自然エネルギー社会に向けてどんなアクションが必要なのかといった視点は共通しており、ソーラーシェアリングの更なる発展を予感させる1日となりました。