電力自由化:深刻化する東京電力パワーグリッドによる新電力への電気使用量・発電電力量通知遅れ問題
昨年来、今年4月の電力小売完全自由化に向けた準備の中で、東京電力による託送業務の新システム開発や新電力への設置に必要なスマートメーター交換が間に合わないという問題が、都度取り上げられてきました。
小売完全自由化から3ヵ月が経った現在も問題は継続しており、東京電力から新電力に対する顧客の電気使用量データ通知が遅れているだけでなく、その内容自体にも誤りがある(電気料金の誤請求が発生する)というような事態も生じています、
新たに設置が進められているスマートメーターでは、各メーターから決められた計量日のデータが送られてきますが、旧式のメーターのままになっている場所では検針員が測定する日によって、計量期間にズレが生じます。
この2つの異なるデータを同一に扱ってしまったため、検針タイミングの違いによる使用量の誤りが発生しています。
東京電力パワーグリッドは、今後の改善見込を同社のWebサイトで公表していますが、スマートメーターの交換が完了するのは9月以降の見込です。
更に言えば、東京電力パワーグリッドから新電力に提供されるのは、顧客に「売電」したデータ(電気使用量)だけでなく太陽光発電設備などからの「買電」のデータ(発電電力量)も含まれます。
このため、発電事業者の中には新電力からの電気料金の支払いが滞っている事例も生じているという深刻な状態です。