ちばえこ日和

日本初の博士(公共学)という学位を持つ大学発ベンチャー「千葉エコ・エネルギー株式会社」の代表が、自然エネルギーのことから地域活性化まで様々な話題をお届けします。

太陽光発電事業:千葉県山武市が太陽光発電設備に対する景観規制を導入

千葉県山武市が、市内における敷地面積1,000㎡以上の太陽光発電設備の設置に際して、景観法に基づく届出を義務づける景観条例の施行を発表しました。

平成27年10月1日からの施行になります。

 

景観法及び山武市景観条例に関する届出 - 千葉県山武市公式ホームページ

 

これにより、市が指定する景観計画区域内において該当する規模の太陽光発電設備を設置する場合には、30日前までに届出を行って市による審査を受けることになります。(必要に応じて事前協議も実施)

審査の結果、基準に適さないと判断されたものについては市による指導・助言が行われ、是正されない場合には勧告・変更命令を経て命令内容や氏名・事業者名が公表されます。

太陽光発電設備に対する基準については、山武市景観ガイドラインで以下のように規定されていますが、いずれも景観調和という点を重要視しているように見えます。

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出所:山武市景観ガイドライン

敷地境界からの離隔距離や、モジュール・フレームの低明度・低彩度の色彩使用、植栽などによる景観調和などが規定されています。

植栽による目隠しや色彩などはコストアップになり、場合によってはモジュール自体の変更が必要ですし、敷地境界からの離隔はレイアウトの修正が必要になりますから、特に設備認定におけるモジュールの変更制限がかかっている現在、既に設備認定を受けて調達価格が確定している事業者がどこまで対応するのかは鍵になりそうです。

田園風景や山林の中に突如現れる発電所が景観に与える影響は間違いなく大きく、使用している面積も住宅や事業所などより広いですから、こういった景観調和の規制が必要なのは確かです。

今回の山武市の景観規制は発電所の建設可否そのものを規制するものではないので、今後どのような運用がされるのかを他地域の事例と比較しつつ見ていきたいと思います。