再エネ業界ニュース:オリックスが新潟県内最大のメガソーラーを建設 - この集落の未来は明るく照らされるだろうか?
『太陽光発電バブルが終わった』と言われる今日この頃、改正FIT法の絡みで手続き的な大混乱は続いていますが、過去に積み上がった太陽光発電の設備認定(今は事業計画認定)はまだまだ30GWのオーダーに迫り、日々新たな発電所の竣工が報じられています。
出力55.6MW、写真を見ると集落がぐるっと太陽光パネルに囲まれている様子がわかります。
今回の発電所は上の記事にもある写真がとても象徴的ですが、集落の周りがぐるっとメガソーラーになっています。毎回このような事業を見ると気になるのは、果たしてこの事業からどの程度の経済的なメリットが地域にもたらされるのか?ということ。
折角なので、どういった地域への貢献があり得るかを考えてみました。
公表されている発電量から、推定売電収入は20億円程度でしょうか。事業主であるオリックスの地域貢献策は以下のように書かれています。
オリックスは同発電所の開発にあたり、安全・安心な地域づくりに貢献するため、発電所の周辺道路を整備し、防犯灯や防犯カメラを設置した。地域活動の活性化を目的に、太陽光発電所を一望できる展望台も建設している。引き続き、公民館の環境整備に協力するなど自治会の各種活動を支援する予定だ。さらに、発電所の保守・メンテナンス関連業務の一部を地元企業に委託するなど、雇用の創出などにより地域への貢献を目指す。
周辺道路の整備、防犯灯や防犯カメラの設置は発電事業そのものの副産物っぽく見えますし、展望台もこれだけでは地域活動は活性化しないでしょう。地元の小中学校に毎年環境・エネルギー教育として発電所見学くらいは盛り込まれればいい方です。
発電所の保守・メンテナンスも、この規模では元請けは相応の実力のある会社になりますから、下請けの地元電気工事会社に一次駆けつけや定期メンテナンスの一部が回ってくればいいくらい。あとは除草作業あたりかと思います。
仮に、この写真にある集落を20年後も活気ある姿で保つことを「地域貢献」と捉えれば、地域に住む人が増えること、もっと言えば子育て世代が増えることが最も重要でしょう。発電所管理&地域活性化のための事業会社を地元に作り、経営者以外はすべて地元住民で固めます宣言をして、先進的な地域作りを進めます!くらいがストーリーとしては面白いですね。
売電収入が20億円(推定)ですから、5%を地元還元と宣言して毎年1億円を予算とする会社になれば、大いに地元貢献ができるのではないでしょうか。
大企業によるメガソーラー事業を見るたび、20年後無人の集落とメガソーラーという風景を残さないためにどうすればいいか、こんな妄想を膨らませています。