ちばえこ日和

日本初の博士(公共学)という学位を持つ大学発ベンチャー「千葉エコ・エネルギー株式会社」の代表が、自然エネルギーのことから地域活性化まで様々な話題をお届けします。

系統連系:再生可能エネルギーの系統連系枠が40GW拡大へ - 「N-1電制」の本格運用で

経産省再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会で議論が重ねられてきた「日本版コネクト&マネージ」ですが、「想定潮流の合理化」による系統空容量確保が各地の電力会社から発表される中、それに続いて「N-1電制」の効果と実施スケジュールが明らかになってきました。

tech.nikkeibp.co.jp

発電所の「身代わり」によって緊急事態に対処

このN-1電制を実施するに当たって、系統事故時に大規模な発電所を「身代わり」に停止させることで中小規模の発電所の停止を回避し、事後にその中小規模の発電所オーナーから機会損失費用を精算するというモデルを実装することになっています、

こういった「身代わり」モデルは、九州電力管内の出力制御(出力抑制)でも同じ案が検討されていて、高圧や低圧の多数の発電所を停止させるよりも、確実に制御できる特高規模の発電所を停止させ事後に抑制の損失分を徴収・補填するという形です。

本格運用は2022年度から

電力広域的運営推進機関(OCCTO)は、再生可能エネルギー大量導入・次世代電力ネットワーク小委員会の第11回会合に提出した資料で、特にこの費用精算をどのように行うかという点に課題が多いとしており、それでも2022年度には必要なルールの見直しや精算システムを完成させ、「N-1電制」の運用をスタートさせたいとしています。

再生可能エネルギーの大量導入に向けて、系統連系・系統運用の改善が最大のハードルになっている今、少しでも早く導入容量の拡大に向けた施策が実施されることを期待します。