再エネ業界ニュース:カリフォルニア州で太陽光パネルの設置義務化へ- 新築住宅を対象に2020年から
カリフォルニア州エネルギー委員会が、2020年から新築住宅(3階建て以下)に対する太陽光パネルの設置を義務化したとのニュースです。こういった措置は、全米でも初めてになるとのこと。
省エネ対策も含めて州内の住宅建築コストが100万円程度増えるようですが、現在の住宅建築コストの中央値が6,000万円以上とのことなので、建築コスト全体に占める割合はそれほど多くなさそうです。
設置義務化と聞くと、周辺に建物が密集していて設置してもパフォーマンスが悪い場所も多いのでは・・・?と思ってしまうのは、日本人的な発想なのかも知れません。
州政府の2030年次のCO2削減目標達成に向けた動きの一環ということですが、再生可能エネルギーの普及に向けた新たな取り組みが始まったなという印象です。
日本国内では住宅用太陽光発電のFIT切れが始まる中で「2019年問題」が叫ばれていますが、住宅用太陽光発電が当たり前になる社会における新たなエネルギー活用のあり方を、もっとしっかりと模索していく必要があるのだとも思います。
講演・メディア:The Mainichiに千葉市大木戸アグリ・エナジー1号機の記事が掲載 - 英文記事として配信
セミナー情報:5/8にソーラーシェアリングセミナーを開催します! - 農業専門家が語るソーラーシェアリング
ソーラーシェアリング専門のコンサルティングを手がける株式会社エコ・マイファームとして、初のセミナーを東京・京橋で開催します!
第五次環境基本計画へ盛り込まれたことで、更なる盛り上がりを見せるソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)ですが、農林水産省の通知が派出されてから5年がたち取り巻く環境も大きく変化してきています。
今回は、政策的・市場的な環境変化やソーラーシェアリング次世代モデルの提案、そして農業研究者の視点から見たソーラーシェアリング導入のポイントなど、他では聞けない話を盛りだくさんでお届けしますので、皆様のご参加をお待ちしております。
下記のフォームより、お申し込みください。
ソーラーシェアリング:第五次環境基本計画にソーラーシェアリングが導入- 今後の普及に弾み
4月17日に閣議決定された第五次環境基本計画で、重点戦略の中に「営農型太陽光発電の推進」が盛り込まれました。
これによってソーラーシェアリングの推進が政府全体の了承事項となり、今後の導入促進に向けて大きな弾みがつくようになるでしょう。
下記が、環境省の公表した第五次環境基本計画の概要資料からの抜粋です。
「地域資源を活用した持続可能な地域づくり」の一環として、(1)地域のエネルギー・バイオマス資源の最大限の活用に「営農型太陽光発電の推進」が位置づけられています。
(ちなみに上記資料の設備写真は、私が環境省広報誌「エコジン」の取材を受けた際の匝瑳メガソーラーシェアリングです)
平成30年度予算で環境省と農水省がソーラーシェアリング関連の補助金を出してきており、これを皮切りに様々な導入促進施策がスタートするでしょう。
今回の基本計画へ盛り込まれたことを弾みに、今年をソーラーシェアリングの普及元年と位置づけて更なる取り組みを進めていきます。
固定価格買取制度:2017年9月時点の設備認定データなどが公開 - 非住宅用太陽光発電は13GWの減少
長らく更新が滞っていた、資源エネルギー庁による固定価格買取制度の情報公表用ウェブサイトが更新され、2017年9月時点の設備認定データが公表されました。
注目の非住宅用太陽光発電の設備認定容量は、2017年3月時点のデータと比べて13GWの減少という結果になっています。
固定価格買取制度 情報公表用ウェブサイト(資源エネルギー庁)
https://www.fit-portal.go.jp/PublicInfoSummary
上記ページにも記載されていますが、今回の集計値には2017年3月末までに失効が確定した案件が反映されており、これは多くが同月までに接続契約が未締結であった案件と言うことになります。
2016年7月1日以降に新規認定された9ヶ月間の経過措置対象案件は含まれていませんが、絶対数はそれほど多くないと見込まれるので、この13GWが実質的に改正FIT法への移行に伴う第一次の足きり案件と言うことになるでしょう。
みなし認定の手続きに際しての認定取り消しはまだこれから出てくると見込まれますが、少なくとも現段階では35GW程度の未稼働の非住宅用太陽光発電案件が存在しており、実際に発電所として組成されるのが80%程度としても全て完工するまでに4年程度はかかると見込まれます。
FIT21円以降の案件がどの程度新規に組成されるかによりますが、引き続き太陽光発電設備の設置はハイペースで続くことになりそうです。
講演・メディア:千葉市大木戸アグリ・エナジー1号機竣工を各種メディアに取り上げていただきました
先日リリースした、自社発電&自社営農ソーラーシェアリング設備「千葉市大木戸アグリ・エナジー1号機」の竣工について、各メディアに取り上げていただいたので備忘録的にまとめておきます。
日経xTECHは電話取材をいただき、追加情報をお伝えしているのでスキームや数値情報などが詳報されています。
ITmedia スマートジャパン
環境ビジネス
日経xTECH
エネクト
ソーラーシェアリング:千葉市内に高圧規模のソーラーシェアリングが竣工 - 設備下の農業も一体で実施
昨年3月末に匝瑳メガソーラーシェアリングが稼働し、ソーラーシェアリングが大きな注目を浴びる中で、この春に千葉エコ・エネルギーとしての新たなプロジェクトが動き出しました。
千葉市緑区大木戸に、自社保有&自社営農設備として「千葉市大木戸アグリ・エナジー1号機」が竣工し、今月から発電事業と農業が始まります!
自社で農業を行う初めてのソーラーシェアリング
今回の設備では、約10,000㎡の畑を千葉エコ・エネルギーが自社で賃借し、農業と発電事業を一体で実施していきます。
これまで大学等と進めてきた共同研究を更に発展させるためのフィールドとしても活用し、ハウス型の自家消費モデルの実証なども行っていく計画です。
設備設計にあたりこれまでの知見を最大限投入
発電設備としては、ソーラーシェアリング用の藤棚式専用架台を導入し、株式会社ビル技研による施工で基礎部分には浮沈防止ベースを採用、地面に対する日射量シミュレーションを重ねた上で最適化されたモジュール配置とするなど、これまで弊社が培ってきた知見を最大限投入した設計となっています。
支柱間隔や横梁までの高さは、農業用機械や畝設計に応じた最適化を図っており、これによる農作業効率の変化についても検証していくほか、農業向けIoT技術も積極的に導入して次世代型ソーラーシェアリングの実証を図っていきます。
今後の展開
この「千葉市大木戸アグリ・エナジー1号機」を軸として「大木戸アグリ・エナジープロジェクト」を展開し、自然エネルギーを活用した新たな農業モデルの構築を目指した取組を進めていくことにより、自然エネルギー×農業による地域活性化に向けた取組を発展させ、全国に向けたモデルの水平展開を目指します。
再エネ業界ニュース:中部電力が送電線の運用を4月から変更 - 再エネの受け入れ容量拡大へ
固定価格買取制度:2018年度の買取価格が決定 - 非住宅用太陽光は18円・小型風力は区分廃止
年度末に至って、今回も大きな議論を巻き起こし紆余曲折を経て2018年度のFITにおける各電源の買取価格が決まりました。
非住宅用太陽光発電は18円+税になり、20kW未満の小型風力発電は区分が廃止されて20kW以上と同じく20円+税となります。
その他、3年分の買取価格を決定しておくという手続きの中で、2020年度に向けた価格設定は下記のようになっています。
- 住宅用太陽光発電は2020年度の買取価格は定めない
- 陸上風力は18円+税
- 陸上風力(リプレース)は16円+税
- 着床式洋上風力は2020年度の買取価格は定めない
- 浮体式洋上風力は36円+税
- 地熱は全区分で変更なし
- 中小水力は全区分で変更なし
- バイオマス(一般木材等)から(液体燃料)を分離
- バイオマス(一般木材等)10,000kW以上と(液体燃料)は入札制に移行
- バイオマス(一般木材等)10,000kW未満は2018年度24円+税
- その他のバイオマス区分は変更なし
地熱と中小水力は変更がない一方で、バイオマスでは液体燃料の分離や入札制の導入など制度変更が進んでいます。
今後、急速に普及が進んできた太陽光発電に加えて、駆け込み申請で「過剰認定」と言われるようになったバイオマスを、今後どのように整理していくのかが注目点になってきます。
非住宅用太陽光発電も18円に至ったことで、今後はソーラーシェアリングを始めとする他の産業と連携した新たしいエネルギー利用モデルの構築や、グリッド・パリティの達成による脱FITの動きが進んでくることになるでしょう。
自然エネルギー政策:再エネ比率の引き上げは行わず - エネルギー基本計画の見直し議論で
わが国のエネルギー政策の根幹をなす「エネルギー基本計画」の見直し議論がまとまりつつありますが、2030年の電源構成における再エネ比率は22~24%とする従来目標を引き上げることはない方向で決着しそうです。
太陽光発電の急速な導入が進む中で、2030年には再エネ比率が30%を超えるという提言が自然エネルギー財団などから出されていますが、電力の総需要抑制が前提となっている中で政府計画の再エネ比率を引き上げると
- 原子力発電の再稼働・新設数を減らす
- 火力発電の設備数を減らす
などが必要になるため、原発の再稼働が進み石炭火力発電所の新設計画が増える中で、変更することはできなかったのだろうなと推測してしまいます。
今回の分科会内での意見として、事務局側は計26基の原発稼働で20~22%の電源比率達成は可能とし、一方で委員からは原発比率を下げて再エネ比率を上げるべきとの意見も出されています。
次回、2020年以降に行われるエネルギー基本計画の見直しの中で、再エネの増加傾向や原発の再稼働状況などを踏まえて再度議論されることになりそうです。