ちばえこ日和

日本初の博士(公共学)という学位を持つ大学発ベンチャー「千葉エコ・エネルギー株式会社」の代表が、自然エネルギーのことから地域活性化まで様々な話題をお届けします。

再エネ業界ニュース:城南信用金庫がソーラーシェアリングに取り組む理由 - RE100加盟の原動力は

『ソーラーシェアリングの融資と言えば城南信金』、というくらいに業界では名を轟かせている城南信用金庫ですが、自然エネルギーへの取り組みは2011年の原発事故でした。

当時も、金融機関が脱原発宣言を行ったことで注目されましたが、今年は日本の金融機関として初めてRE100に加盟したことが注目されました。

そんな城南信用金庫の背景を探るインタビュー記事が、環境ビジネスオンラインで公開されています。

www.kankyo-business.jp

匝瑳メガソーラーシェアリングについても触れられており、城南信用金庫がソーラーシェアリングに注力している理由についても語られています。

ソーラーシェアリングに限らず、「利潤追求より地域貢献」を重視する城南信用金庫のスタンスを知ることが出来る記事となっていますので、是非読んでみてください。

レポート:台湾 Green Energy Forum 登壇と農業関連の太陽光発電設備視察レポ - その1

12月3日~5日にかけて、台北市にて開催される国際フォーラム@台湾大学に登壇するため、台湾を訪問してきました。やっとその内容を落ち着いてまとめられるようになったので、3日間の様子をレポートします。

台湾からの相次ぐ視察とGreen Energy Forumの開催

今年に入って台湾からのソーラーシェアリング視察が相次ぎ、立法委員(国会議員)、経済部(経済産業省)、嘉義市による匝瑳のソーラーシェアリングなどの視察を受け入れてきました。

その流れから、台湾側が農業と自然エネルギーの共存モデルであるソーラーシェアリングに強い関心を持っていると感じていましたが、今回ついに台湾大学で開催されるGreen Energy Forum(2018農業綠農論壇)への登壇依頼を受けて、訪台することになりました。

登壇に際しては、日本におけるソーラーシェアリングに関する事例を報告して欲しいとのオーダーです。

訪台と初日の現地視察

今回が人生初の台湾訪問ですが、羽田→台北松山の直行便があるということに驚きです。フライト時間は3時間半程度で、国内の長距離新幹線移動より近い!

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羽田空港国際線ターミナルから

フライトは順調に行き、台湾上空に差し掛かると眼下に広がるのは高い山々と、それに囲まれた都市圏の様子。やはり気になったのは、地上設置型のメガソーラーどころか太陽光パネルが設置されている様子すら見えなかったこと。屋根置きすらほとんど視界に入りません。

そして、農地の少なさも印象的でした。

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台北市上空

松山空港にて現地を案内してくれる研究チームと合流し、まずは台湾の現地視察と言うことで桃園市にある溜め池のメガソーラー2ヶ所へ向かいます。

いずれも、台湾政府の肝いりで導入された設備と言うことで、見学コースもしっかりと整備されていました。

1ヶ所目は浮体式の水上太陽光発電所で、定格出力は約2MW、モジュールは台湾メーカーですがPCSはファーウェイでした。

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桃園市の溜め池に設置された浮体式太陽光発電

台湾は通年で気温が高いので、地上設置型に比べて浮体式の方が発電量は上がるとの説明のほか、モジュール間に鳥が営巣している写真などを見せて貰いました。

また、台湾では高圧送電の電圧が11,000~22,000Vということで、キュービクルの仕様は日本と異なる部分があるそうです。

現地では水利組合の関係者の方から、設備導入の背景や運用状況について説明を受けました。設備に到着した際に十数名が待ち受けていて、「別の視察が来ている?」と思うような状況でした。

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水利組合関係者との記念撮影

次に向かったのは、同じ桃園市内にある着床式の水上太陽光発電所です。溜め池の中にコンクリート支柱1,000本を立て、こちらも2MW規模の太陽光発電設備が設置されています。こちらもモジュールは台湾メーカーとのこと。

発電量はやはり地上設置型より高いそうで、各アレイに対してメンテナンス用の通路まで設置されており、ブロックに分けて点検等を実施しているとのこと。

施工は農閑期の水を抜くことが出来る時期に集中して行い、3ヵ月程度の工期で完成させたそうです。

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桃園市の溜め池に設置された着床式太陽光発電

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キュービクルも水上に

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石に刻まれた発電所の銘

この設備は、水利組合が管理する池の水上を民間企業に貸し出す形の事業スキームで、収益の一定割合を農業振興に使うよう義務づけられているとのこと。

ここでも大々的なお出迎えを受けましたが、水利組合関係者・施工業者・発電事業者の各々から説明をいただくことができました。

初日の視察はこの2ヶ所でしたが、事業化の背景や運営体制、設備設計の基準などが日本と異なる点や、政府主導の事業ということで制度の整備がプロジェクトに適するように整えられた事情などを知ることができました。

現地に辿り着くまでに、台北市内から1時間半程度の車移動でしたが、その間もやはり太陽光発電設備を見かけることがほとんどなく、僅かに公共施設のような建物の陸屋根の上に設置されているのを見る程度でした。

 

次回、その2では国際フォーラムの様子をレポートします。

再エネ業界ニュース:太陽光発電の第3回入札結果が公表 - 上限価格は15.50円/kWh

業界に衝撃を与えた、落札者無しで終わった太陽光発電のFIT価格を決める第2回入札から3ヵ月、第3回となる入札が実施され結果が公表されました。

今回は、上限価格(非公表)は前回と変わらずで最低落札事業者の価格は14円25銭/kWhとなりました。

 

太陽光第3回入札(平成 30 年度下期)の結果について(低炭素投資促進機構)

 

上記の入札結果から、前回・今回の上限価格である15円50銭で札を入れた事業者は悉く落ちているのが特徴的です。

第2回の結果から入札システムの機能不全が指摘されていましたが、今回の応札量と最低落札価格によって、来年度の入札対象拡大に向けた議論は勢いづくのではと思います。

明朝8時から第43回の調達価格等算定委員会が開催されるので、その内容に注目です。

ASPEn:資源エネルギー庁新エネルギー課と面談の機会をいただきました - 詳細は動画にて

先日の自民党石崎徹代議士の訪問に続き、石崎代議士のご紹介でASPEnとして資源エネルギー庁の新エネルギー課との面談の機会をいただきました。

ASPEnの団体設立の目的等をご説明する一方で、先方からは調達価格等算定委員会の仕組みや人事の背景、JP-ACの事業計画認定に関する改善状況、FIT法のあれこれなどについて、丁寧にご説明いただきました。

新エネルギー課の方からFITの説明を受けるのは初めてだったので、個人的にも非常に勉強になる機会でした。

また、ソーラーシェアリングに対する新エネルギー課の見解を伺えたのも、大きな収穫だったと思います。

今回の面談レポートを動画配信しています

今回の面談の内容について、facebookにあるASPEnの一般会員専用グループで動画配信しています。16分に亘る谷口代表との振り返りトーク、是非ご覧ください。

 

既に会員登録済みの方は、下記グループにご参加ください。

ASPEn一般会員専用グループ

 

会員登録がお済みでない方は、下記からご登録ください。

ASPEn 会員登録フォーム

講演・メディア:PV EXPO 2019にて太陽電池展特別講演に登壇します! - ソーラーシェアリングの市場予測と今後の展開

今年を振り返ると、お陰様で数十回の全国でのソーラーシェアリング講演をさせていただきました。この記事を書いている現在も、大阪での講演に向かう新幹線車中です。

さて来年はどうなるだろうかと思っていたら、いきなりの大型講演が舞い込んできましたので告知です。

PV EXPO 2019の特別講演に登壇!

太陽光発電の業界関係者であれば、ここは必ず参加するだろうというPV EXPO 2019の太陽電池展にて、特別講演に登壇することになりました。

あの、いつもの招待状に顔写真とプロフィールが出るという展開です。

reed-speaker.jp

この業界に身を置いてから、毎年のように参加してきたイベントではありますが、まさか自分が特別講演の登壇者になるとは夢にも思っていませんでした。それだけ、ソーラーシェアリングに対する関心が高まってきているのだと感じています。

今回は、「ソーラーシェアリングの市場予測と今後の展開」と題して、これからソーラーシェアリングがどのように普及していくか、その市場予測や技術的な発展などについてお話しする予定です。

事前申込みで受講無料のセミナーですので、是非ともご来場ください。

ASPEn:自民党の石崎徹代議士(再エネ議連事務局次長)と会談 - ASPEnの設立目的と活動について説明へ

今日はASPEnのメンバーで、衆議院第一議員会館にて自由民主党石崎徹代議士に面会してきました。

石崎代議士は、自民党再生可能エネルギー普及拡大議員連盟で事務局次長を務められていて、先日資源エネルギー庁から修正案が公表された、高FIT案件の引き下げ措置に対する同連盟としての提言案を管官房長官に提出されるなど、再エネ事業に関わりの深い方です。

ASPEn設立のニュースを見て、今回は是非話を聞きたいとお招きいただきました。

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石崎徹代議士と会談

ASPEnの設立目的や今後の活動方針についてご説明したほか、新潟県の出身と言うことでソーラーシェアリングの取り組みについてもお話ししました。

ちなみに石崎代議士、私より年下(しかも当選3期目)ということが判明してびっくりです。35才の私はもう若手とは言えないですね...。

 

一般社団法人太陽光発電事業者連盟

 

ASPEn:一般社団法人太陽光発電事業者連盟の設立記念シンポジウムが各メディアに掲載 - ITmediaや新エネルギー新聞

 去る11月22日(木)に城南信用金庫本店で開催した、一般社団法人太陽光発電事業者連盟(ASPEn)設立記念シンポジウムの様子が、各メディアに掲載されました!

新エネルギー新聞119号紙面と電子版

www.newenergy-news.com

新エネルギー新聞では、119号の紙面並びにWeb版の両方で取り上げていただきました。

ITmediaスマートジャパンにて詳報

www.itmedia.co.jp

ITmediaスマートジャパンでは、4ページに亘って各登壇者のスピーチ内容などを詳報していただいています。

一般会員を募集しています

ASPEnでは、登録・年会費無料の一般会員を募集しています。

太陽光発電所のオーナーであればどなたでもご登録いただけますので、是非下記の登録フォームからご参加ください。

一般社団法人太陽光発電事業者連盟 登録フォーム

ニュースリリース:ZOZOTOWNとのコラボが実現! - ファッション×エネルギーの新時代コラボレーション

この冬、ファッション×エネルギーの新時代コラボレーションを!

ということで、なんとZOZOTOWN×みんな電力×千葉エコという奇跡のコラボが実現しました。

tokyofrontline.com

メインは、ZOZOとみんな電力が「服を選ぶように、エネルギーも選ぶ」ことを働きかける「ファッション x エネルギー」のコラボレーションです。

その中で、株式会社ZOZOが地元の千葉を応援する目的で展開するオンラインショップZOZOTOWN x CHIBA」にて、私たち千葉エコ・エネルギーを次世代農家として応援いただけることになりました!

同じ千葉市に本社を置く会社同士の縁とは味なもので、こんな奇跡のコラボが実現するとは夢にも思いませんでした。

あらゆる場面で欠かせないエネルギーという存在が、ジャンルの壁を越えて異色のコラボを実現していく第一弾になるでしょう。

 

千葉エコ・エネルギーとしてのプレスリリースは、下記からどうぞ。

www.chiba-eco.co.jp

講演・メディア:アースジャーナル ソーラーシェアリング特集号第二弾 刊行! - 今回も監修しました

昨秋に刊行したアースジャーナルVol.05 ソーラーシェアリング特集号に引き続き、第二弾となるアースジャーナルvol.06が刊行されました! 

earthjournal.jp

今回も私が監修を務めさせていただき、

など、やりたい放題の内容になっております。

監修コンセプトは巻末コラムに書いてあるので是非読んでいただければと思いますが、昨年からは想像もつかないほど盛り上がりを見せるソーラーシェアリングの未来を、じっくりと感じ取っていただける一冊になっていますので、是非お買い求めください!

 

※ありとあらゆるところに私が登場していますので、一体何ヵ所に現れるかお探しあれ。

 

Amazonからも購入できます。

高FIT案件の引き下げ措置に対するパブリックコメントを提出しました

経済産業省資源エネルギー庁が行っているパブリックコメント「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法施行規則の一部を改正する省令案等に関する意見公募について」に対して、意見を提出しました。

巷では「高FIT案件一掃作戦」とも言われる、主に40~32円の未稼働・滞留案件一掃に関する措置です。

未稼働・滞留案件の整理が必要であるとした上で、提出したコメントの概要は下記の通りです。

①設備認定・事業計画認定に関する検証を行わないままの早急な措置

現在未稼働・滞留案件となっている案件は、これまで何度も資源エネルギー庁による報告徴収や聴聞を経ており、設備認定・事業計画認定の手続き上は瑕疵なく過ごしてきているものです。昨年にはみなし認定制度が始まりましたが、この制度でも多数の設備認定が取り消されており、それでもなお残っている認定案件を拙速な制度変更によって無理矢理調達価格を引き下げることは、監督官庁としてこれまで行ってきた制度運用の失敗を認めているに等しい対応です。

調達価格の変更は制度の根幹に関わるものですから、これまでのFIT法の認定制度運用に対する検証を行った上で、未稼働・滞留案件の整理に必要な手続きを整えるべきとしました。

②送配電事業者が手続きの窓口となることの問題

今回のFIT価格引き下げにつながる変更の認定と見なされる手続きは、送配電事業者が「系統連系工事着工申込みの受領」という手続きを行うことで適否が判断されます。しかし、事業計画認定は経済産業大臣の名前で行われるものであり、その手続きを民間企業による書類の受領によって代えるべきではありません。

③国際的な投資対象国としての信用の毀損

FIT制度による再生可能エネルギーへの投資には、外国企業も多く参加しており、これは国際的なエネルギー開発投資の一環です。今回のように、案の公表から1週間でパブリックコメントがかかるような急激な制度変更を行い、投資家が損害を被るような事態を許容してしまうと、国際的な投資対象としての日本国の信用を毀損することになります。また、今回の措置によって外国投資家が損害を被ったことで国際投資紛争となり、我が国が仲裁裁判などで敗訴することになれば、その賠償金によって多額の国民負担が生じることも懸念されます。

 

パブリックコメントは以下のサイトから受け付けられていますので、まだ提出されていない方は是非意見を送ってみてください。

search.e-gov.go.jp