ちばえこ日和

日本初の博士(公共学)という学位を持つ大学発ベンチャー「千葉エコ・エネルギー株式会社」の代表が、自然エネルギーのことから地域活性化まで様々な話題をお届けします。

再エネ業界ニュース:種子島で頻発した再生可能エネルギー発電への出力抑制 - 九州本土でも本格化するか?

固定価格買取制度で再生可能エネルギー発電事情に参入する事業者にとって、一つの事業リスクとなっている「出力抑制(出力制御)」ですが、これは電力の需給バランスを取るために発電事業者に対して特定の日に発電所からの電力供給を抑制することを求める仕組みです。

国内では、種子島での実施事例が有名ですが、昨年12月から今年2月にかけても複数回の出力抑制が実施されています。

九州電力 離島における平成28年12月の再生可能エネルギーの出力制御実績について

九州電力 離島における平成29年1月の再生可能エネルギーの出力制御実績について

九州電力 離島における平成29年2月の再生可能エネルギーの出力制御実績について

タイミングとしては、事業用の電力需要が少なくなる週末や年末年始休暇の頃に出力抑制が発生しています。

これから先、九州本土でも出力抑制の実施が現実味を帯びてきていますが、そのタイミングとしては5月の大型連休が最有力です。

太陽光発電の発電量が最も大きくなる時期で、更に連休と言うことで電力需要が減少することにより、供給側のコントロールが必要になるのではないかと見られますが、一方で相変わらず「本当に再生可能エネルギー発電設備の停止が必要なのか」という疑問は解消されていません。

出力抑制には7つの実施段階があり、揚水発電所の出力抑制と揚水運転、火力発電所の抑制、地域間連系線の活用などが行われた上で、太陽光発電風力発電は順番で言うと5番目に抑制が実施されます。

種子島の場合には、1~4番目にあたる設備が少ないことから太陽光発電設備の出力抑制が発生していますが、実際に九州本土で実施するとなった場合には、その前段の抑制が適切に行われたかどうかを含めた検証が重要になります。

「早ければ今年の大型連休には」という声も耳にする中で、実際に出力抑制が起きてくるのかどうか引き続き注目していく必要があります。