ちばえこ日和

日本初の博士(公共学)という学位を持つ大学発ベンチャー「千葉エコ・エネルギー株式会社」の代表が、自然エネルギーのことから地域活性化まで様々な話題をお届けします。

千葉大学大学院での今期の講義スタート - 「大学院におけるキャリア形成」

今日から千葉大学大学院で、今期(2019年度第2ターム)の担当講義「人文社会科学特論 - 大学院におけるキャリア形成」がスタートします。今年初開講の、新しいチャレンジとしての講義になります。

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懐かしの人文社会科学研究棟@西千葉キャンパス

大学院におけるキャリアパス

昭和から平成を越えて令和時代に入り、これまでの人生設計・キャリア観が全く通用しない時代に突入しましたが、大学院教育ではもっとガラパゴスな状況にあります。

そもそも大学院生のキャリア教育?というところからのスタートになりますが、文部科学省の平成27年度「学校基本調査」によると、社会科学系の大学院博士課程修了者で正規職についているのは40%以下、非正規職を含めて50%に届かずというのが実態です。

博士課程を修了しても半数以上が(おそらく)研究を活かした職に就けず、人文科学(文学や哲学など)に絞ると正規職は20%を切ります。

この現実を踏まえて、博士前期課程(修士課程)の段階から自身のキャリアパスを考え、大学などの研究職に限らず専門性を活かせるような道を見いだすというのが、今回の講義の目的になります。

大学院が「逃げ場」から逃げ出せるように

人文社会科学系の大学院は、就職活動がイマイチだった学部卒生の「逃げ場」に長年なってきたのは事実であり、周りを見渡せば研究職に就いた人物は10人に1人もいません。(このSNS・情報化時代に音信不通・所在不明の人も珍しくないです)

私自身が、博士課程修了から起業して今に至るキャリアの中で、結果として自身の大学院での専門性を活かす仕事が出来ていますが、これは本当に時流も含めた偶然の産物だと思います。

その背景を持つ中で、この経験を後に続く世代に伝え、新たなキャリアプランとして示すことが私の宿題でもあります。