世界におけるソーラーシェアリング普及の潮流 - 環境ビジネスオンライン連載記事
大型連休明けに、環境ビジネスオンラインで第2期の連載記事第4回が公開されました。今回は、「世界におけるソーラーシェアリングの活用事例とは?」がテーマです。
日本発の技術としてアジアを中心に広がるソーラーシェアリング
ソーラーシェアリング(営農型太陽光発電)がFIT制度に乗って国内で導入が進み、農業と自然エネルギー発電を両立させるモデルとしての事例件数は、現在もまだ我が国が最先端にあります。
太陽光発電の拡大のために農地を有効活用する必要があるという点で、アジア圏諸国が同様の課題を抱えていて、特に東アジアでは営農型太陽光発電の導入が広がっています。
韓国や台湾では「営農型(形)太陽光発電(能源)」として認知されつつあり、私も昨年末から両国を訪問して政府機関や業界団体との交流を重ねてきました。
日本は発祥の地としての立場を維持できるか
かつて、我が国は太陽電池技術で世界トップを誇り、モジュール出荷量は日本企業が世界シェアの半分以上を占めた時代もありました。
しかし、エネルギー政策の誤りと見通しの甘さから、2000年代半ば以降は住宅用太陽光発電の導入が減速し、世界的に太陽光発電の導入が加速する中で完全に取り残されることになります。
その後、全量売電のFIT制度スタートで太陽光発電の国内導入量は世界屈指となりましたが、モジュール・PCS・架台といった主要部品は中国を始め諸外国の製品が国内市場を席巻しました。
ソーラーシェアリングも、現在は日本初の技術として広まりつつありますが、そこで使用される資材はやはり海外製が多く、国内メーカーはこの分野にほとんど目を向けていません。
一方で、韓国などは国策として技術開発を急がせており、3年後には彼らが開発した製品を日本のソーラーシェアリング設備で使用することになっているでしょう。
今から技術開発や普及促進の手を打てば間に合うでしょうが、今から手を打たなければ各国に追い越され、かつての太陽電池産業の二の轍を踏むことは疑いないところです。